こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:国内旅行

クラブこけしオーナーとビリケンさんが大阪の新世界をうろついている頃(店外編57)、
それとはまた別行動をとっているこけし娘がいた。
彼女は“シンヤ(19話)”。オーナーの愛人のこけしモデル事務所所属の彼女は、
オシャレ好きではあるがその路線は奇抜なものになりがちである。
そんな前衛的オシャレ感覚を持つ彼女は、「行って会わねばならない人がいる」と、
オーナーの大阪行きを聞きつけくっついてきたのである。
そして彼女は遂にその場所にやってきた。
「ああ!とうとう会えたわ!私のオシャレの指針!色褪せない前衛の権化。
このいで立ちはもう『こけし神』と言っていいほどだわ!!憧れの太陽様!!」
太陽の塔1
そう、彼女がやってきたのは万博記念公園。そこに鎮座するは岡本太郎作『太陽の塔』であった。
「もうたまらないわ!オシャレエネルギーが充電されていく!」
興奮するシンヤの頭上から太陽の塔が語りかけてきた。
「よーく来たね、こけしのお嬢ちゃん。爆発してるかな。」
「きゃーっ!太陽様!ハイッ!!爆発です。爆発しまくっています!!」
「うむ、よろしい!もっともっと精進しなさい。こけしは爆発だ!」
「ハイ!こけしは爆発だ!」
不思議な会話の中、シンヤのときめきは最高潮に達したのであった。
その後シンヤのオシャレセンスは前衛具合を増し、関係者は頭を悩ましているという。
つづく
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太陽の塔、私も大層感激いたしました。
得も言われぬ凄まじい存在感と魅力です。
これはもう、なんだかでっかいこけしに見えてきます。
写真のようにこけしと並べても妙にしっくりきます。
逆にレプリカをこけし棚に並べたい気になりました。
背中にも顔があったんですね。
太陽の塔2

ここは大阪は新世界。やってきたのはクラブこけしオーナーと、とあるこけし娘。
オーナーは大阪というアウェイの地を恐れているが、1度は行ってみたいと興味はあったため、
大阪に用事があるというそのこけし娘にくっついてきたのである。
新世界1
新世界のあまりの混沌とした光景と人混みにオーナーが閉口気味にこけし娘に言う。
「えらいことになっているのう・・・ここは本当に日本かね。」
「驚かれましたかオーナーさん。確かに近年の混雑ぶりはすごいですけどね。さて師匠、師匠はっと。」
「本当にこんな所にあなたのお師匠さんがいるのですかな。」
「ええ、先程からお仲間達はちらほら見えているのですけど・・・ハイ!ここです!師匠、お久しぶりです!」
新世界2
そこは『ビリケン神社』。訪ねてきたのはこけし界のビリケンこと“ビリケンさん”(79話)であった。
「うむ、ワシの所までよく来たこけビリケンよ。」
「はい師匠。今年も新年のイベントに備え神通力の補充にやってまいりました。」
イベントとは、年初にビリケンさん(こけし)が、クラブこけしなどこけし娘の集まりに出向き、
自分を撫でさせては彼女達の厄払いを行うという有り難い行事のことである。
申し訳なさそうにオーナーが言う。
「すいません、いつも。特にウチの娘達は遠慮がないから・・・。」
「いいんですよオーナーさん。師匠なんか見てください。」
「うむ。ワシの足などもう撫でられすぎてピカピカであるぞ。こけビリケンも精進するのじゃ。」
「ハイ師匠。来年もこけし娘達にしっかり福を配ってまいります!」
こけし界でも徐々に新年にむけたムードが漂い始めた今日この頃であった。
つづく
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こけしの“ビリケンさん”と本家ビリケンさんのツーショット写真を撮るという夢が達成されました。
しかしこの新世界の混沌ぶりには圧倒されました。
人混み、フグ、あちこちにビリケン、串かつ、将棋、ポルノ映画館、路上に横たわる方々・・・、
東京とは異質のエネルギーが充満しています。
日本もアジアの仲間なんだと痛感いたします。

クラブこけしのゆさことピヨピヨの奈良旅は、奈良を飛び出し和歌山県まで足を延ばしていた。
そして船にまで乗り、やって来たのは和歌山市の沖合にある友ヶ島。
太平洋戦争時の対艦砲台跡が良好な状態で残っており、
島内の木々に埋もれたその姿が『天空の城ラピュタ』の様だと近年観光スポットとなっている島である。
友ヶ島1
友ヶ島2
友ヶ島3
「いやー、この廃墟感。確かにラピュタだねピヨちゃん。」
「でしょうゆさこちゃん。奈良では地味に石ばかり見て来たから、少しは華やかな観光もしないとね。」
「華やかかどうかは何とも言えないけど・・・。ピヨちゃん、折角だからラピュタごっこでもしようか。」
「いいわよ。」
「じゃあ私はパズーで。ラピュタだよ!ラピュタはあったんだ!すごい、こんな池まであるよ!」
「フン。バカどもにはちょうどいい目くらましだ。」
「え!?シータじゃないのピヨちゃん。ムスカ大佐やるんだ・・・・いいけど・・・。」
友ヶ島4
ラピュタごっこをしながら島内の砲台跡を歩きまわる二人。
廃墟なのでその雰囲気を楽しみたいのだが、今や観光スポットの友ヶ島。
光景の中に観光客の姿が途切れる事が無い。
ふと思い付いたゆさこは、ある期待を込めてピヨピヨに尋ねる。
「しかしピヨちゃ・・・じゃなかった、ムスカ大佐。人が多くて落ち着かなですね。どう思われますか。」
「ハハハ、見ろ!人がまるでゴミのようだ!!」
「うん、大佐の名言だね。ありがとうピヨちゃん。期待にこたえてくれて。」
「まったくもう、本心で思ってないからね。もうラピュタごっこ満足したから普通に観光しましょ。」
戦争の遺産でふざけてしまった事を多少反省しつつも、
廃墟の持つ哀愁やそれを取り巻く自然の力強さ感じ、観光を堪能する二人であった。
つづく
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マニアックなラピュタのムスカ大佐ネタでふざけてしまい失礼いたしました。
この友ヶ島の砲台跡は実戦で使われる事はなかったようで、それが多少の救いです。
壊れ・汚れ等の本来マイナスイメージの中に廃墟はその美しさを宿しています。
廃墟好きの方は古品こけしも好きになるポテンシャルもあるような気がします。

ゆさことピヨピヨが『石三昧』の奈良観光をしている頃、
クラブこけしのオーナーと店のこけし娘“店長”(21話店外編51ほか)は法隆寺へと向かっていた。
「法隆寺は中学校の修学旅行以来なのだよ店長ちゃん。」
「そうですかオーナー。しかしどこも外国人観光客ばかりでしたね。法隆寺はどうでしょう?」
「うむ。国宝であり世界最古の木造建築群、当時も大混雑であったよ。多少は空いていることを願うよ。」
こうして法隆寺へと到着した二人、オーナーはその光景に驚愕した。
法隆寺1
「人っ子ひとりおらんではないか!!」
「本当ですねオーナー。これは一体・・・時間帯のせいかしら?」
「よし!!これは絶好の撮影チャンス!ささっ、店長ちゃんこっちへ!!」
「ああ!オーナー、その姿勢は!!」
オーナーは地面に全身を横たえると、五重塔を背景に店長の写真アングルをとりはじめた。
「そう!これは私のテンションはもちろん、人気の無さや地面の乾燥具合など、
数々の条件が揃わないと出ない最高潮のハッスルポーズ。題して秘儀『HARABAI(腹這い)』なのだよ!」
「オーナー・・・そこまでして私の写真を・・・!」
オーナーの写真撮影の付き合い疲れ始めていた店長であったが、
頑張る人を前には、自分もそれに答えねばと思う出来た娘が店長である。
「わかりました!さあ、オーナーしっかり撮って下さいね!」
「相解ったり!!」
法隆寺2
夕暮れ時の法隆寺境内、周囲の目を気にすること無くスポコンの様な光景が繰り広げられたのであった。
「そう!店長ちゃん、もっと笑って!!」
「はい!オーナー!」
つづく
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夕方の閉門前だったせいか、法隆寺がこんな閑散としているとは思ってもいませんでした。
寺の静謐さと柏倉勝郎型こけしの凛とした仏教的なお顔立ちが妙にお似合いです。
この写真撮影の腹這いポーズはこけし撮影には結構有効なのですが、
恥ずかしいのでなかなかやりません。
そして終わったあと、何かの虫がつくせいか体が痒くなります。

クラブこけしの仲良しこけし娘、ゆさことピヨピヨの奈良県は明日香村観光も大詰めに差し掛かっていた。
石舞台1
「ゆさこちゃん、この『石三昧』観光も遂におおとりよ。さあ、これが石舞台古墳よ!」
「おお、これまた巨石だこと。何これピヨちゃん?」
「これは彼の蘇我馬子のお墓という説が有力よ。
元は盛土がしてある古墳だったけど、今はそれが無くなって石室がむき出しになってるのよ。」
「それでこんな石の舞台みたいになったわけだ。」
「この石の上で狐が踊ったとかそんな伝説もあるのよ。」
「はー、馬子ちゃんも可哀想に。おちおち寝てられないわね。」
「ゆさこちゃん、一応言っておくけど蘇我馬子は男だからね。」
「ええっ!?・・・し、知ってたから!愛着を込めてちゃん付けしただけだし!」
「ゆさこちゃん、参考までに言っておくけど小野妹子も男だからね。」
「!!・・・マジか・・・!いや、その、当たり前じゃん!常識だよピヨちゃん!」
石舞台2
そして二人は古墳に登り、今回の観光『石三昧 in 奈良』を振り返っていた。
「どうだったゆさこちゃん、今回の観光は。」
「そうね・・・石とか岩とか石とか・・・地味だったね。」
「私も提案しといて何だけど、まあそんな気も確かにするわね。」
「でもまあ明日香村は長閑で良かったよ。」
ある秋晴れの晴れた日、石舞台古墳の上からぼんやりと『日本人の心の故郷』の景色を眺め、
それなりには達成感に浸る二人であった。
つづく
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歴史の教科書の中で見た場所で、まさかこけしを置いて写真を撮ることになろうとは、
若かりし頃には想像だにしなかったことです。
地味な石巡りの観光でしたが、こけしと一緒に写真を撮っていると、
そのミスマッチ感の妙によって印象深いものになるのが面白いというか助かります。

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