こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:関東近郊

11月のお話、久しぶりにクラブこけしの“ゆさこ”を訪ねてきたのは、
「もったいない」が口癖の“大沼のおばさん”(32話92話)であった。
「ゆさこちゃ~ん、いるの~?おばさんよ~。菊まつり行きましょ。見ないともったいないわよ~。」
面倒くさく思ったゆさこは即座に仮病を装う。
「ああ、おばさん、ゴホゴホ。私今頭痛やら腹痛やらもう・・・、そうだ!ギイチちゃん、よろぴく!」
「あらそうなの~。もったいないわね。じゃあギイチちゃん行きましょ!」
いきなりではあったが、言った者勝ちかと観念したギイチ(375585話ほか)。
こうしておばさんと向かったのは、菊まつり開催中の東京は文京区の湯島天満宮であった。
菊まつり1

「んま~!どれも立派な菊だこと!ギイチちゃん、良く見とかないともったいないわよ!」
「ええ、まあ、綺麗ですね。でもそこまでもったいないですか?」
「もちろんよぅ!あなた、こんな光景なかなかお目にかかれないのよ。もったいないわよ。」
「あ、菊人形。へー、確かに綺麗なものですね。」
「でしょでしょ!どれもめずらしくって本当もったいないわぁ。」
嬉しそうに「もったいない」と言うおばさんと菊を鑑賞する中、
ギイチはあるものにふと気が付き、気を使っておばさんに言う。
菊まつり2
「見て、おばさん!菊の中から白鳥の首が!!レアな光景ですね!もったいないですよね!!」
「ん?あら、本当ね。あれは・・・別にもったいなくないわ。ささ、先に進みましょ!」
「そうなんですか!?」
大沼のおばさんはさっさと先に進んでいくが、ギイチは白鳥の存在が気になって仕方が無い。
おばさんは何でももったいながっている訳ではなく、
そこに何やら美意識らしいものがあることを初めて知ったギイチであった。
つづく
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菊まつりを機に、ほんのちょっぴり菊のことを勉強してしまいました。
ギイチのような、利右衛門系列の力強い胴の菊は“厚物”で、
大沼のおばさんのような、大沼家のしだれた感じの菊は“管物”なのかもしれません!
(お暇でしたらウィキペディア“菊”参照
『こけし仕立て』みたいな菊の育て方もあるようですね。
初の菊まつり、なかなか興味深かったです。

クラブこけしの大福(本名シン子(100話))は、鎌倉のとある海岸で海を眺めていた。
顔立ちのもっちり感が大福っぽいという事で、大福と呼ばれるようになった彼女は、
実はこの海岸近所のお店出身で、久しぶりの里帰りで
海を眺め満喫していた。
大福
「あー、やっぱり湘南の風は心地よいわぁ。サーファーもあんなにプカプカ浮かんで・・・ん!?」
突如、彼女の横をサーフボードを持った若者が疾走していく。
フィンの無い、そして気持ちずんぐりとした見慣れぬボードの形に大福は違和感を覚える。
「何かしらあのボード。サーフボードじゃないのかしら・・・ええっ!!」
若者は走る勢いのまま波打ち際にボードを放り出すと、その上に飛び乗り、
まるで砂浜をすべる様に移動し始めたのである。
大福2
1,2秒の出来事であったが、大福は度肝を抜かれていた。
「何!?何なの今の遊びは?見たこと無いわ!ちょっとオーナー、ちょっと!」
連れ立って海に来ていたクラブこけしのオーナーは、大福もちを買って戻ってきた所であった。
「いやー、大福ちゃんを見てると、どうも食べたくなってねぇ。ん、どうしたの。」
「オーナー、ちょっと見ててみなさいよあれ。謎のマリンスポーツよ。」
若者は先と同じ動きをし、波打ち際をツルツルーとすべっていく。
「!!大福ちゃん、何かねあの遊びは!?」
「私も初めて見たわよ。オーナー、ちょっとそのご自慢のスマートフォンで調べてよ。」
オーナーがスマホを自慢げに取り出し検索を始める姿は、今更感もあり痛々しい。
調べた結果、それは『スキムボード』というマリンスポーツであることが分かった。
「はー、世の中どんどん進んでいるのね。私も頑張らなくちゃ。ありがとうオーナー。」
「うむ、この私のスマートフォンで検索したいことがあったらどんどん言いなさい!」
スマホで検索癖のついたオーナーは何だかうざったくなったと最近の店の娘達の噂であった。
つづく
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マリンスポーツに縁の無いもので、この『スキムボード』とやらに驚いたものでした。
砂浜から助走をつける労力に、その後の滑りの快感は見合うものなのか?
やっていないので何とも言えませんが。
スマホ検索というのはどうも脳を甘やかしている気がして、
物忘れなどについては極力自力で思い出すようにしていますが、
しかし色々便利なんですよね。
こけし関連の事もすぐ頼ってしまうので、なかなか身につきません。

クラブこけしに所属のゴヘイ(33話48話ほか)は、常日頃より人生に悩む、不満顔のこけし娘である。
そんなゴヘイの気晴らしになろうかと、クラブこけしのオーナーは、
ゴヘイを北鎌倉は明月院の紫陽花まつりに連れて行くことにした。
紫陽花1
「ほら、ゴヘイちゃん、明月院の紫陽花だよ!満開でなんと見事なことよ!」
「ええ、そうですね。綺麗ですね・・・。」
それなりに紫陽花に感動するものの、ゴヘイはやはり浮かない顔で考えていた。
(明月院ってお寺よね。坊主に人生の意義について相談してみようかしら・・・)
そんなゴヘイの思い知らず、オーナーは写真をバチバチ撮りながらゴヘイに話しかける。
「ゴヘイちゃん知ってるかい?紫陽花は土壌の酸度によって青やピンクに色が変わるのだよ。」
「え!?そうだったんですか?知らなかった・・・。」
「うむ、つまり同じ紫陽花も酸度次第で年毎に色が変わる事もあるとかないとか、そんな感じなのだよ。」
そう言うとオーナーは再び紫陽花ショットに夢中になっていた。
オーナーの話に多少驚きつつ、ゴヘイはハッとある思いに至った。
(オーナー、まさかとても深いことを言ったのでは?!
人生は環境でいくらでも変わると言いたかったのねきっと。
クラブこけしという環境で私に色とりどりに咲いてみなさいと言っているのね!!)
そう思い至ると多少気分も上がり、ゴヘイは積極的に紫陽花まつりを楽しむ様になっていたのであった。
もちろんオーナーに深い意図など無く、
ただ単にあやふやな知識をひけらかしただけなのは言うまでもない。
つづく
紫陽花2
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前回のトルコから一転、和の風物はこけしにしっくりときます。
不満顔に思えてしまう小松五平工人の作も多少楽しそうに見えるでしょうか。
いまさら思うに胴模様の菊が結構写実的なので、
いつか菊祭りみたいな中においてみたい気もしてきました。
もしかして今まさに菊の時期では?検討してみます。

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