こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:海外旅行

クラブこけし一行のチェコ共和国観光旅行も数々の行程を終え、
カレル橋の袂では“赤んぼ先生”(店外編72ほか)と“キヨ子”(店外編70ほか)が総評などをしていた。
「キヨ子先生、今回のチェコ旅行は大変有意義でったでち。先生に誘っていただいたおかげでち。」
「赤んぼ君も良い実地講義が出来たそうね。ツタフミちゃんも満足していたわよ。」
夕暮れ時のカレル橋はプラハ城を背景に、大層ロマンチックなムードに包まれつつあった。
美魔女”キヨ子と過ごすうち、赤んぼ先生に変なスイッチが入り始める。
カレル橋1
「キヨ子先生!あなたと私は恩師と元生徒の関係でちが・・・」
「どうしたの赤んぼ君?なんだか変よ。」
「私ももう一人前の先生、そして一人前の男でち!」
(まったく、ムードに飲まれてこんな事になる気がしていたわ。でも、そろそろ皆が来る頃ね。)
ある程度展開を見通していたキヨ子にぬかりはない。程なく遠くから声がかかる。
カレル橋2
「キヨ子せんせ~い、お待たせしました~。ツタフミちゃんも一緒ですよ。」
やってきたのはこの旅でキヨ子のアシスタントを務めた“行き倒れ”(店外編68他)と、
赤んぼ先生の書生“ツタフミ”(45話他)である。
ハッと我に帰る赤んぼ先生をツタフミが怪しい目で見ている。
「赤んぼ先生、何だか目の色がおかしかったんですけど。」
「な、何を言うておるツタフミ。キ、キヨ子先生に失礼でちよ!」
「皆さん、僕もうお腹ペコペコですよ。」
「あら、行き倒れ君には珍しいこと。初日なんかお腹をこわしていたのに。」
ツタフミちゃん、それは言いっこなしですよ~」(一同笑)
「じゃあ皆、最後の晩餐にパーっと繰り出すわよ!先生についてらっしゃい!」

というわけで
ベタベタの展開をもって、クラブこけしのチェコ旅行は幕を閉じたのであった。
つづく
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チェコ旅行編、お付き合いありがとうございました。
掲載のこけし写真に多少とも「おっ!?」と思っていただければ、
遙々チェコにこけしを持ち込んだ甲斐もあったと幸いです。
これからも楽しい(違和感?)こけし写真が撮れるようがんばります。

チェコのプラハにて、ツタフミ(45話ほか)への講義を終えた赤んぼ先生店外編75ほか)は、
観光中だったクラブこけしオーナーやその愛人と合流し、昼食にすべくレストランへと向かった。
チェコ料理に不得手なオーナーは、今回も赤んぼ先生のお任せで注文である。
果たしてやってきた料理を見て、当初普通にしていたオーナーだが程なくその事の大きさに気付いた。
チェコ料理2
「先生!こ、これは・・・!!」
「ふふふ、気付いたでちかオーナー。そうでち、牛生肉のタルタルステーキでち!」
二人のやり取りに混じる驚きの理由がツタフミには解らない。
「先生もオーナーも何をそんなに驚いているんですか?ただのユッケみたいなものじゃないですか。」
「解っていないでちねツタフミ。生肉でちよ。日本で今これが食べれるでちか?」
「別に食べ・・・、あっ!!無理です!絶対とは言いませんが!」
「そうでち。オーナーの安月給では最早そうそう外食できる代物ではないんでちよ!」
日本では食中毒事件後の規制で、生肉メニューはほぼ姿を消しているのである。
恐る恐るオーナーが訪ねる。
「せ、先生、これ値段は大丈夫ですか?持ち合わせはあまり・・・。」
「安心するでち!ここはチェコ。さあ、こころ置きなく生肉に喰らいつくでち!」
「なるほど・・・しかし久しく食べていないのと、日本での件を思い出すとちょっと怖くなったりとか・・・。」
赤んぼ先生の目がカッと見開らかれる。
「オーナー!!何をまた寝惚けてるでちか!生肉に喰らい付いてこその『漢(おとこ)』でちよ。」
「キャー!『肉』と『漢』を説く肉食系赤んぼ先生!再びだわ!」ツタフミはウキウキである。
「日本人は生肉もろくに食えないヤワな民族だとチェコ人に笑われてもいいんでちか!?
オーナー!!
「ハ、ハイ先生!では大和魂でいただきます!・・・うん、うまいです!」
例によってやり取りを冷ややかに聞き流し、淡々と自分の料理を食べるオーナー愛人であった。
つづく
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日本での生肉の扱い、思い込みもあるので現状違っていたらすいません。
いずれにしろ生肉タルタルはチェコの名物料理のひとつで、
普通に美味しくいただいてまいりました。
洋食とこけし、和洋のコラボレーション写真のつもりですが、
皿の黄緑色は日本のチューブわさびの様で、何だか混沌としております。

チェコ・プラハでの、赤んぼ先生(店外編72ほか)によるチェコキュビズム建築の講義は続く。
「ツタフミ(45話ほか)よ、キュビズム建築の“結晶体”デザインは何となくつかめたでちか?」
「はい先生!壁や窓が複雑に斜面で構成されていて、正に結晶のようなイメージを感じました!」
キュビ5
「うむ。ではそれを踏まえて、この赤茶色の建物が『ブラック・マドンナ』でち。どうでちか?」
「今なら解ります!回りのクラシカルな建物と明らかにデザイン精神が違っていますよね!」
カフェやキュビズム美術館も併設された建物内へと移動する赤んぼ先生とツタフミ。
キュビ6
「この階段の手摺も見るでち!キュビズム的デザインは手摺や家具など、細部に至るんでちよ!」
「本当ですね。最初に見たコヴァジョヴィッチ邸の柵もそういう事だったんですね。」
「これらの建設は最初に言った通り約10年間、しかもチェコだけのムーブメントで終わったんでちよ。」
「先生、それがずっと気になっていました。こんなに斬新でカッコいいなのに何故ですか?」
キュビ7
「うむ・・・、簡単に言えば早々に“飽きられた”んでち。」
「そんな、単純な!?」
「自国の建築的アイデンティティを模索した“チェコキュビズム”だったんでちが、
第一次大戦やら共和国の成立やらでバタバタする時代の、一過性の輝きだったんでちよ。
それだけ激動の時代だったんでち。」
「そうだったんですね・・・、でも何でチェコだけがキュビズム建築を選んだんでしょう?」
「良い質問でちツタフミ!それはでちね・・・、ボヘミアンガラスでち!!」
「ボヘミアンガラス?!チェコの伝統工芸に何の関係が?」
「切子のカットガラスに
“結晶体”っぽさを感じないでちか?つまりチェコ人の心に響くデザインなんでちよ!」
「せ、先生!!その理論がどこまで真実かわかりませんが、何だかすごく納得です!!」
最終的に怪しい持論を展開した赤んぼ先生であるが、ツタフミはいたく感銘を受けたのであった。
キュビ8
(おまけ:チェコキュビズムデザインの街灯 世界に1本だけ!)
つづく
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チェコキュビズム建築とこけし。
突き詰めたデザイン同士というか、何となくマッチしていませんでしょうか?!
これら建物は時代を経て、再びチェコの文化的誇りになっているようです。
というわけで2回にわたっての建築案内でしたが、
ザックリかつ怪しい解説ですのであまり信用せず、
こけしフィクションとしてお楽しみください。

チェコのプラハにて、その日は赤んぼ先生(43話店外編72ほか)による実地講義が、
書生のツタフミ(45話店外編69ほか)に行われた。
「ツタフミよ、今日の講義は『チェコキュビズム』についてでち!
20世紀初頭、約10年という非常に短期間にチェコでのみ起きた建築ムーブメントでち!」
キュビ1
「はい先生!キュビズムというとピカソの絵みたいなガチャガチャっとした感じですか?」
「何はともあれまずは感じることでち。最初はここ、コヴァジョヴィチ邸でち。どうでちか?」
「うう~ん・・・、柵がギザギザで独特ですね・・。」
「まあ、それもそうなんでちが、建物については何か思わないでちか?」裏側へと回り込む二人。
キュビ2
「他に比べればモダンな感じですかね・・、何となく壁が多面的に構成されてるのかな・・・?」
「うむ、その調子でちよツタフミよ!では次にいってみるでち!」
赤んぼ先生の案内で次に“ネクラノヴァ通りの集合住宅”に移動。到着してツタフミは理解した。
キュビ3
「先生!壁がパキパキしています!窓や扉もです!キューブ(立体的)な壁なんですね!!」
「そう、これがキュビズム建築における“結晶体”の精神でち!」
「結晶体?」
キュビ4
「18世紀末にヨーロッパを席巻した近代建築の単調なスタイルに皆が飽き飽きしていたとき、
チェコに現れたのがこの結晶体スタイルのキュビズム建築なのでち!」
「そうなんですね!・・・でも先生最初に“約10年”とか“チェコのみ”とか寂しい事を言ってましたね。」
「うむ、それは追々説明するでちよ。さあ次に行くでち!」
「はい先生!講義中の先生は輝いているわぁ!
久々に本領発揮でノリノリの先生と、生き生きと講義を受けるツタフミである。
つづく
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“先生”という勝手な位置付け上、このこけし(権太郎型こけし)は
アカデミックな題材と並べて写真を撮りたくなります。
そもそも、なぜ彼が“先生”イメージなのか!?
改めて説明しますと、下の写真がその原因でございます。
おしゃれ女学校
(クリックで拡大『kokeshi book』(著:cochae 青幻社)より)
“南部のおしゃれ女学校”と題した写真、キリリとした彼の立ち位置は正に先生なのです!

前回に引き続きチェコ共和国の街、チェスキークルムロフを観光するトキオ(店外編61ほか)とハセ子。
普段のトキオはおっとりした娘だが、憧れの地の観光により彼女のテンションは著しく高揚していた。
そんな二人に昼ご飯にしようと声を掛けたクラブこけしオーナー。一同レストランへとやって来た。
オーナーはこの地方の名物である鱒料理を食べるのを楽しみにしていたのである。
ちなみに彼は、魚の食べ方が美しいと地味な定評を持つ男である。
チェスキー4
「来た来た、名物の鱒のフライなのだよ。こんがり黄金色ではないか!どうかねトキオちゃん。」
「鱒のゴールドラッシュや~!さあさあいつものように美しく食べてみせるぞよオーナー!」
「?ゴールドラッシュ?ぞよ?・・・トキオちゃんてこんな娘だっけ・・・?ねえハセ子ちゃん。」
「ええ・・・、トキオ姉さんはこの観光のせいで、私も今まで見たことのないハイテンションです・・・。」
トキオに違和感を覚えながらも、オーナーは丁寧に魚を食べ始めた。
ふっくらと揚がった鱒は大変に美味であり、日本人にも親しみのある味わいであった。
いつも通り綺麗に骨だけが残った皿をみて、自画自賛するオーナー。
するとトキオが満足げに店の女主人に向かって叫びだした。
「女将さん!見なはれや!この男の綺麗な食べ後を!これが日本人の心意気ですぞよ~!!」
「ちょっ!トキオ姉さん!やめて下さい恥ずかしい!」
「いいじゃないハセ子ちゃん。オーナーの数少ない取柄ぞよ。世界にアピールするぞよ!」
「それはそれとして、姉さん、ちょっとクールダウンしましょう!テンションがもう変すぎます。」
こうしてハセ子に引きずられて店を出るトキオ。
図らずしもトキオに褒められたオーナーは、気持ち誇らしげにお会計に臨んだという。
チェスキー3
つづく
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普通に観光レポート&自慢になってしまいました・・・が、
常々魚は綺麗に食べてあげようと心がけています。
会計時に店の女将が、「さすが日本人、やるわね。」と言・・・っていませんが、
そんな目をしていた気が勝手にしています。
しかしこういった魚はやはり箸で食べたい気がします。フォークは大変です。

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