こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:こけしの産地・温泉

新年の事、クラブこけしオーナーが秋田で新人こけし娘をスカウトしたとの連絡があり、
店ではその事についてもっふんママがため息混じりにとチーママが話こんでいた。
「もふ~ぅ・・・、チーママ聞いた?オーナーからの連絡。」
「ええ、新人をスカウトしたとか。確か“シカク”ちゃん、でしたっけ?」
「そうもふ。オーナー、またインパクト重視の面白娘を採用したんじゃないでしょうね?」
「どうしてそんな風に思うんですかもっふんママ?」
「だって木地山の娘で“シカク”よ?怒り肩でずんぐりと角ばった娘だったらどうするもふ?
客商売なんだからやっぱり綺麗所の方がいいじゃない!その方が売り上げものびるもふ!」
「まあまあママ、みんなだって頑張ってくれているし、そんな想像もしたらいけませんよ。
それに私は見かけでは判断しませんし。でも、“シカク”ねぇ・・・。」
クラブこけし2号店を任されているものの、このところ業績不振に悩んでいるチーママ。
彼女がため息をつきかけたそのとき、店に可愛らしい声が響いた。
シカクとママ
「こんにちは~。秋田から来ました“シカク”と申します。どうぞよろしくお願い致します。」
店の戸口に立つその娘をみて、もっふんママもチーママも目を見張る。
「もふ~!あなたがシカクちゃんね!?いいじゃない!7頭身美人もふ!!」
「ほんとですね。四角いお顔立ちも小顔感があってかわいらしい娘だわ!」
「それにお着物には松竹梅!新年から縁起がいいもふ!でかしたわオーナー!」
「もっふんママ!シカクちゃんは、かわいい娘は是非2号店に!シャァ!これで売り上げアップよ!」
「『
シャァ!』って、チ、チーママ、見た目で判断しないんじゃ・・・」
キョトンとするシカクの手を取るや足早に2号店に消えるチーママを、呆然と見送るもっふんママであった。
つづく
シカク
○渾名:シカク(木地山系)
○工人:小野寺正徳
=====================
木地山系のイメージからこんな美人さんがいるとは予期していませんでした。
湯沢駅前の土産屋さんで手にいれた、小野寺正徳工人の小椋啓太郎型(?)です。
四角い頭に松竹梅の着物、独特なスタイルを継承しています。
木地山系は素朴でずんぐりとした田舎娘のイメージをもっていましたが、
正徳工人のコレはどうしてなかなか、今時にほっそりと垢抜けております。

前回に続き、クラブこけしオーナーと木地山こけし娘達の年末温泉旅行から。
一行が到着したのは、小安峽温泉の最奥、『阿部旅館』。ここから先の道は冬季通行止めとなる。
旅館内の通路を川へ下ると露天風呂に出るという大変に趣深い旅館である。
阿部旅館1
その通路には干したとうもろこしが壁に並んでいるという、鄙びた風情ある演出がなされており、
その干しもろこしの前で“木の実”(57話)と“まんさく”(店外編33他)の会話が弾んでいた。
阿部旅館2
「わぁ!干しもろこし。私のコレクションがまた増えるわ!」
「そう言えば木の実ちゃんって、種とか木の実とか集めてるんだっけ。」
「うん。小瓶に入れて飾ると何だかとても満たされた気持ちになるの。」
「ふーん、変わった趣味ね。私は実用的に少し分けてもらって、何か料理に使おうかな。」
クラブこけしの賄い担当のまんさくは、干しもろこしという使いなれない食材のレシピに悩み始める。
「そう言えばまんさくちゃん知ってた?オーナー、実は今回“
泥湯温泉”に行きたかったんだって。」
「え、ああ、そうなの?うぅ~ん、干しもろこしかぁ・・・粉に挽いてトルティーヤにするか・・・」
「で、夏頃に予約しようとしたら、そこでお目当てだった『奥山旅館』っていう所がなんと!
火事で燃えちゃっていたのよ。すごいオーナー残念がってたらしいわよ。」
「そうか!なるほどね、これも直火にかけてポップコーンか!いいわね!」
「まんさくちゃん!?何かすごく不謹慎な連想してない?」
「え?!べ、別にそんなつもりじゃないわよ、やだもう木の実ちゃんたら!アハ、アハ」
「・・・無意識って怖いわね。私も気をつけなきゃ。」
そんなやり取りをしつつも、故郷の変化に胸を痛めた木の実とまんさくであった。
つづく
=====================
冬の温泉旅行は私の重要イベントで、夏前からどこにしようかと検討を始めます。
そして昨年夏、木地山こけしの里を訪ねるべく、満を持して泥湯温泉の奥山旅館だ!
と決めウェブサイトを見るも、どうも様子が変なのです。
そしてどうやら1週間前に出火、全焼してしまったということが判明。衝撃でした。
再開したら是非訪ねたいと思います。こけし共々応援しております。

2017年末、恒例の年末温泉旅行へと出かけたクラブこけしオーナーとその愛人。
クラブこけしおよびこけしのモデル事務所からは木地山こけし娘達が旅行に参加していた。
というのは、今回目指すは秋田県湯沢市の小安峽温泉、木地山こけしの故郷である。
果たして目的地へとたどり着いたとき、そこは除雪車が活躍する程の雪国の様相を呈していた。
湯沢1
湯沢2
雪景色を眺め“ボクッ娘”(74話他)がため息をつく。
「ああ、昔嫌々雪かきしたこと思い出しちゃったよ。ボク、肉体労働はほんと苦手。」
労働に後ろ向きな彼女に対し、何事にも意欲的な“ゆう子”(55話他)のテンションは高い。
「きゃぁ~!雪久しぶり。ボクッ姉ちゃん雪よ!それにKOMATSUの除雪ドーザー!シビれるぅ!」
「除雪車にシビれるの?何そのテンション。」
「ああもう我慢できない。スコップはどこ?
もう私も雪かきするわ!
「なんでゆう子が雪かきしたくなるのさ。あんな重労働。」
「何言っているのよ姉ちゃん。車にまで働かれたら私も負けてられないないじゃない!」
「もう意味がわからない・・・。」
「姉ちゃん、もう少し労働に前向きになるセラピーでも受けてきたら?日々楽しくなるよ。」
「ゆう子のはワーカホリックっていうのよ。あんたもセラピーうけなさいよ、まったく。」
久しぶりに見る故郷の雪景色に、思うことはそれぞれの二人であった。
つづく
=====================
東京から新幹線で4時間、在来線で1時間、そしてバスで1時間。
小安峽温泉はたどり着くのに手間はかかりますが、遙々来たぜ感はひとしおです。
こけしの産地に漂うこの空気感、特に冬場のこの感じはたまらないものがあります。
除雪車とこけしの写真を喜んで撮るなど、地元の方々は呆れていたことでしょう。
そんな私も上京前は田舎育ち。雪かきはよくさせられましたが大嫌いでした。

クラブこけしオーナーと、オーナーの愛人の年末恒例温泉旅行でやってきた遠刈田温泉。
温泉街の案内を買ってでたのはオーナーを愛する?茶がま(28話117話ほか)であった。
遠刈田温泉1
「旦那様、それと愛人さん・・・でしたっけ?ようこそ私どもの故郷、遠刈田温泉へ!」
「うむ、念願の遠刈田温泉、とうとうやってきたのだよ!・・・しかしちょっと閑散とした景色だのう。」
「何も無いところですが精一杯ご案内いたします旦那様!あと愛人さん。」
茶がまの微妙な言い回しに愛人はイラッとしつつも、案内は続く。
遠刈田温泉2
「旦那様ここが遠刈田大橋、通称こけし橋ですよ!かわいらしいですよね!」
「う、うむ・・・、こけしの里には時折ある橋であるが、やはりちょっと寂しいかな・・・。」
「でも旦那様、橋の欄干にもこけしのレリーフがずらりと!壮観ではございませんか?」
「確かにすごいが、季節柄かのう・・・、何とも一抹の寂寥感が・・・。」
遠刈田温泉3
すると茶がまはうつ向き涙を浮かべ始めた。
「・・・はい、本当は私も解っております。ここには誇るべき景色は何もありません、そして私にも・・・。」
そんな茶がまを見て愛人がチッと舌打ちをしオーナーに囁く。
(これ、『何も持っていない可愛そうな私』演技よ。最初から予定通りよ。)
しかし、茶がまの涙にほだされたオーナーにその言葉はもう届いていない。
「茶がまちゃん!そんなことはないのだよ!君がいれば私は十分幸せなのだよ!」
「ああッ、ありがたや旦那様!ずっとあなたのお側に!」
愛しげにオーナーに抱え上げられる茶がまの目が愛人と合う。
茶がまはしれっと目を反らし、愛人は舌打ちをする。いつもの光景である。
つづく
=====================
遠刈田温泉、工人の工房やお店、こけし館もあり十分こけし情緒のある温泉地でした。
単に私が上手く写真に撮ってこなかったため伝わらないだけです。
しかしながら、こけしと言うのは何も無い場所であればこそ生まれたものなのでしょう。
こけしの産地をいくつか巡って来ましたがどこも素朴なところですが、
そこにこけしが居ることで、何とも暖かい思いにさせてくれます。

クラブこけしの元気娘“豆タンク”(店外編114)が、
東京の店にスカウトしたオーナーよりも先乗りでやって来た時のいきさつ話である。
青根温泉満喫中のオーナーと豆タンクが旅館の庭先で話をしていた。
「豆タンクちゃんはハキハキとしていているからきっとお店の役に立ってもらえると思うのだよ。」
「はい!ありがとうっすオーナー!早く東京行きましょう!」
「まあそう慌てなさるな。青根温泉の風情をもう少し楽しんでいたいのだよ。」
「はあ、こっちはもう見飽きてるっす。早く東京行きましょう!」
「ホラ見たまえこのつらら!そしてこの寒さ。東京では中々お目にかかれないのだよ!」
そう言うとオーナーは樋からの水滴がつららとなった木に豆タンクを据えた。
豆タンクとつらら
「こけしとつららのコラボレーション、素晴らしいシャッターチャンスなのだよ。
この私の研ぎ澄まされたセンス!どうかね豆タンクちゃん!」
「平凡な旅行者感覚っす。それどころか意味が分からないっす!」
「なかなかハキハキ言うのう。しかし寒さをものともしないその元気ぶり、流石地元っ子ではないか。」
「いえ、十分寒いっす。都会人の変な先入観は勘弁してほしいっす。」
「まあそう言わず次はこっちのつららで・・・」
「もう先に東京行ってるっす。オーナーは好きなだけつららでもしゃぶってればいいっす!」
こうしてオーナーの旅行者ぶりに辟易とし、
豆タンクは先に東京に行ってしまったといういきさつなのであった。
つづく
=====================
東京暮らしが長くなると雪や氷が珍しくなってしまい、
東北でそういった光景に出会うとついはしゃいでしまいます。
彼の地にはそれなりの苦労もあるのでしょうが旅行者とは気楽なものです。
しかもこけしにハッスルしているなど、結構異様に見られていることであろうこと、
一応は認識しているつもりですが麻痺は進んでおります。

このページのトップヘ