こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:こけしの産地・温泉

カニ旅行』と称して始まった平賀家のこけし娘達とクラブこけしオーナーの旅行も終盤、
オーナーが作並温泉からレンタカーを遥々飛ばしてやって来たのは岩手県の平泉。
中尊寺の金色堂を一度見てみたいというオーナー立っての希望であった。
見学に先立ち、金色堂を覆う“覆堂”の前にこけし娘を並ばせるとオーナーはカメラを構えた。
カニ旅行4
「さあさあ皆並んで、記念写真を撮るのだよ!」
(レインボー)「まあ良いけどさオーナー、あれ金色堂じゃなくて外側覆ってる建物だよ。」
(カニ菊)「ここの記念写真って大抵このアングルでなんだか違和感なのよねぇ。」
(ジロ子)「でも金色堂は撮影禁止なんでしょ。他に撮りようもないし仕方無いわよねぇ。」
(テイ子)「皆、深く考えないで定番と割り切って撮っておきましょうよ。」
こけし娘達の会話を聞きながらオーナーはニヤリとしつつ、わざとらしくため息を付く。
「皆、分かっておらんのう!かの松尾芭蕉がこの地で詠んだ句をご存知かな?カニ菊ちゃん!」
「“五月雨の降り残してや光堂”でしょ。それくらいは知ってるわよ。」
「この句はだね・・・なんと!光堂そのものに感動している句ではないのだよ!
五月雨から光堂を守る覆堂と、そんな覆堂を作り奥州藤原氏の栄華の証を後世に残さんとする、
そんな人々の願いを称えた句なのだよ!」
「オ、オーナーが何やら説得力のある事を言っている!でもすごく受け売り臭い」
「つまり覆堂こそがこの名句の主人公といっても過言ではないのである!」
この場所での写真撮影にあたり皆から上がるであろう疑問に格好良く答えようと、
オーナーは前の日に予習していたのであった。
詭弁じみた説明にも聞こえるが、これはそれなりに効果を発揮し、
皆しみじみと覆堂も含めた金色堂の見学を堪能したのであった。
こうして一泊二日の『カニ旅行』は滞りなく終了し、夏が過ぎて行ったのであった。
つづく
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金色堂が建物に覆われていることで、情緒が無いと嘆く声も聞こえるところで、
私も正直そのように思っていましたが、今回の話を知り多少見方も変わりました。
現在は新しい覆堂ですが、旧覆堂は隣に移築され重要文化財に指定されている程だったのです。
とまあ、色々訪ねたようでいて高々一泊二日の私の今年の夏休みでございました。

カニ旅行』を続ける一行が訪れたのは、“定義山”の愛称で親しまれる定義如来西方寺。
こけし娘達の出身である作並温泉の近場ながら一族の縄張り外らしく、皆来るのは初めてである。
山奥に突如として開かれた西方寺門前の荘厳な佇まいに皆のテンションは上がり、
記念写真を撮ろうとカメラを覗いたクラブこけしオーナーだが、そこでふと違和感を感じる。
「おや?何だか人数が増えてないるような?気のせいかな?」
カニ旅行3
後に写真を見れば、こけし娘“ワラビ”(131話)が混ざり込んでいるのは一目瞭然なのだが、
存在感を消せるという彼女の特殊能力により、現地でこれに気付く者はいない。
オーナーの発言を聞いたテイ子とジロ子はハッと目をあわせる。
「テイ子姉さん、これはまさか・・・伝説の定規山のもののけでは?!」
「人数が合わないということは・・・恐らくそうねジロ子さん。ここは秘儀“カニ点呼”の出番だわ!」
“カニ点呼”とは彼女達平賀一族に伝わる点呼法で、魔除けの力も併せ持つものらしい。
「じゃあ行くわよ!番号~、1カニ」
「2カニ!」
「3カニ!」
「4カニ!」
「5オーナー!」
「6ワラビ!」
「もののけ、見破ったり~!あっ!あなたはもしや、伝説のワラビ族の娘ね!」
瞬間ワラビの能力は解け彼女は姿を表すも、「ばれちゃった〜」と言い残し再び姿を消したのであった。
“カニ点呼”とはその場の者に点呼を強制する力をもつのだが、
一族以外は「カニ」を付けれない上、その素性を述べてしまうという秘伝の一族確認法なのである。
その後のワラビがどうなったかは第131話につづく話である。
定規山のもののけ伝説として聞いていたワラビ族の存在も確認出来、
一行にとってファンタジックな観光であったという。
つづく
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定規山のこけしを伝説のように扱ってしまいましたが、普通に門前の『
有路こけし店』で売っています。
しかしながら、この門前町の突然開けた感じというか、隠れ里のような雰囲気は何とも印象的で、
このこけしに未開の民族との出会いの様なレア感があるせいか、こんな話と相成りました。
(なんだか失礼な言い方になっていたらスイマセン。ホント素敵なところでした。)
名物の“三角あぶらあげ”、パサパサした物かと思いきや、思いの外ジューシーで美味しかったです。

前話に引き続き『カニ旅行』をするテイ子・ジロ子・カニ菊・レインボーとクラブこけしオーナー(等の)一行。
その日の宿泊先として訪れたのは、正に彼女達の生まれ故郷である作並温泉であった。
懐かしの生家『平賀こけし店』を前に、彼女達はそれぞれに感慨深げである。
店内ではまだ商品であるこけし娘達が、先輩達の帰郷にやんやとさざめいていた。
カニ旅行2
この凱旋を店外から誇らしそうにアピールしているのはレインボーである。
「フフフ、妹達よ!私は東京で元気にやってるわよ!羨ましいでしょう。それレインボー!」
調子に乗って特技の虹を出すレインボーをカニ菊がたしなめる。
「ちょっと、レインボーやめなさいみっともない!ちゃんと礼儀はわきまえなさい!」
まだ行き先の決まらず、期待や不安の入り混じる妹達に対しては、
それを優しくそっと見守るのが先輩こけしの一般的な礼儀である。
「そうですよレインボーちゃん。素敵な嫁ぎ先が見つかるか不安な娘だっているのよ。」
「すいませんテイ子姉さん。でもでも、そう言う姉さんだっていつもよりシャッキリしてないですか~?」
「アラやだ、そ、そうかしら?オホホホ。」
そんなやりとりにため息をつきながらカニ菊がジロ子に言う。
「まったく二人共・・・故郷に戻った嬉しさは分かるけど、ちょっと浮かれすぎですよ。ねえジロ子姉さん。」
ため息と共にジロ子に話しかけたカニ菊だが、その時ジロ子が店に向かって叫びだす。
「ちょっと〜アンタたち!しょぼくれてんじゃないわよ!笑顔よ、笑顔!!
そして私みたいに、女らしく美しく立ち居振る舞うのよ!じゃないと嫁ぎ先なんか無いわよ!」
「ああっ、ジロ子姉さんがスパルタモードに!・・みんな揃いも揃ってデリカシーの無い・・・」
こけしの為の『美しい所作』講座も受け持つジロ子の、教育者として妹達への愛のムチであったようだが、
それぞれに奔放な一族の反応に再びため息をついたカニ菊であった。
つづく
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平賀こけし店を初めて訪れましたが、何も買わずにそっと見守って出てまいりました。
買ってあげられなかったこけし達には概ねいつも、
皆が素敵な人生(こけ生)となることをそっと祈って店を出ております。
悩んだ結果選んであげられなかったものに対してはひとしおです。
さてさて、作並温泉は『岩松旅館』に宿泊しました。大変に満足いたしました。

クラブこけしと、クラブこけしオーナーの愛人が経営するこけしモデル事務所のにいるこけし娘の内、
平賀家の娘達がこの初秋、一族の親睦旅行をオーナーも交え行う運びとなった。
参加者はカニ菊(店外38他)テイ子(73話)レインボー(72話)ジロ子(店外80他)の4名。
一族を象徴する胴の模様から『カニ旅行』と命名され、秋晴れのその日旅行は始まった。
一行がまず向かった先は宮城県は蔵王連峰にある“御釜”。
エメラルドグリーンの水をたたえたカルデラ湖で、彼女達の故郷を代表する観光スポットである。
カニ旅行1_1
足場の悪い中、ノッポのテイ子がジロ子の助けを借りながら体勢を整えていた。
ジロ子「テイ子さんこんな感じでどう?落ち着いたかしら?」
テイ子「あらすいませんジロ子さん。でも足場の悪さで逆に上手く収まりましたわ。オホホ。」
レインボー「いやー絶景絶景!ついでに虹も出しちゃおうかしら!それっレインボー!」
カニ菊「ちょっとレインボー!あまりはしゃがないでよ!っていうかなんで“カニ子”が来てないのよ!」
そう、この旅行には平賀一族の一人である“カニ子”(店外42他)も来て然るべきなのである。
テイ子「ウィンクしたりリボン付けたり、目立ちたがりやのカニ子ちゃんなだけに変よねえ。」
レインボー「そういえばカニ子姉さん、なんか今回は別の目立ち方をするんだって言ってたわ。」
カニ菊「別も何も、来なきゃ意味が無いじゃない、まったく。」
ジロ子「あれ?カニ菊ちゃん、まさか・・・こういういうことじゃない?」
テイ子「あらあら、ホント!カニ子ちゃん考えたわね。」
カニ旅行1_2

果たしてそれはカニ子の目立ちたがり神通力の所業によるものか、
集合写真等で妙に目立つ部分である右上の欠席者枠に、彼女はなんとしっかり納まっていたのである。
カニ菊「そんな目立ち方ってアリなの?!何というかもう・・・飽きれたもんだわ・・・。」
一同何やら感心しながら始まった2017年初秋のカニ旅行であった。
つづく
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といったわけで始まりましたカニ旅行にしばしお付き合いお願いします。
御釜は天気も良くカメラも新調しましたのでなかなかの写りではないでしょうか!
カニ子は手違いにより純粋に連れて行き忘れたのが真実です。
集合写真等でよくある欠席者枠に積極的なストーリーを与えてみました。

昨年末、秋田でスカウトされクラブこけしへとてやって来た“シカク”(124話)が東京に来る前の事。
秋田出身の彼女は折角だからと角館の観光案内をオーナーにしていた。
角館1
「オーナーさん、この角館の武家屋敷は『重要伝統的建造物群保存地区』なんですよ。」
「ほほう、前に訪ねた伊根の漁村美山町の山村集落と同じなのだね。
中々の風格ある景色であるよ。というのもさておき、君の名をどうしたものかのう。」
実はこの時点で彼女の名はまだ決まっておらず、観光しつつオーナーはそれを考えていたのである。
これまではこけし娘の親の名から一文字取り、
後ろに『子』の字を付ければ女子の名になると簡単に処理していた彼だが、
店の娘が増えるにつれ、簡単な命名だと混乱して覚えにくいという事態に陥っていた。
角館2
「どうですかオーナーさん。私の名前は決まりましたか?ほらここに良いのがありますよ!」
「ほほう?どれかね?」
「ホラ、上に赤字で・・自分で言うのもなんですが、私、命名してくれるならば喜んで・・・」
「ほう!これで良いのかね?確かに秋田らしいが、ちょっとはっちゃけすぎかと敬遠していたのだよ。」
「えっ?オーナーさんどっち見てます?下じゃないですよ上ですよ!下は勘弁して下さいよ!?」
「うん、やはりそうであろう。女の子だし“きりたんぽ”ではちょっとのう。」
「だからホラ、上のコレでいいじゃないですか!秋田こま・・・」
「ああ、そっちね!ハハハ、それはちょっと盛りすぎ感があるのう!」
「ええっ!あ、そ、そうですか・・・(ガックリ)」
というわけで、こけし娘の命名には何かしらの美学を持っているオーナー。
結果、彼女を土産物屋で見た第一印象そのままに“シカク”と命名したのであった。
つづく
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ウチのこけしは全て命名してあげるのですが、本数の増加により先に述べた通り、
最近はちょっと捻りを加えていかないと、被ったりインパクト薄であったりで悩ましいところです。
かといって突拍子もない名前だとキャラ(私の勝手な妄想)と乖離してしまうので、
程々のところで似合った名前を付けてあげています。

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