こけしブログ クラブこけし物語

クラブこけし物語と題したストーリーによって 所有するこけしを紹介

カテゴリ : 店外編:こけしの産地・温泉

あつみ温泉で一泊したクラブこけし一行。翌日は山形県内の名所を巡る予定である。
出発前にこけし娘のシンヤと梅子は観光に際して意気込みを確かめあっていた。
「単なる観光じゃないのよ梅子ちゃん!新たなファッションの模索が目的なのよ。」
「そうねシンヤちゃん。おしゃれアンテナを常に立てる、それが私達よね。」
あつみ5
はてさてまず訪れたのは修験道の山岳信仰の山として知られる羽黒山。
山中の参道を進んだ先の五重塔を前に、二人のファッション模索は始まる。
「梅子ちゃんどう?何か斬新なファッションアイデアは湧く?」
「うーん、羽黒山と言えば何となく“天狗”よね。」
「天狗!すっごくファッション示唆に富んだキーワードだわ!」
「それにしても静謐な佇まいの塔ね。杉林の中で凛としていてとても素敵ね。」
「全くね。何だか霊験あらたかな感じね。せっかくだし御朱印もらいに行こう。」
あつみ6
次に訪れたのは酒田市の『山居倉庫』。かつては北前船で栄え、
今や物産館なども併設され、観光客に人気の現役の倉庫である。
「黒いくてシックな倉庫ね。梅子ちゃんファッション的にはどう?」
「そうねシンヤちゃん。酒田といえば“おしん”よね。」
「おしん!これもなかなかファッション示唆に富んだキーワード!」
「リズミカルな黒い倉庫屋根と木々と水辺。ほんと素敵ね。」
「全くね。あっちのお土産見に行こう!おいしい煎餅をゲットするわよ!」
あつみ7
次に訪れたのは庄内砂丘。全長35km、日本三大砂丘の一つとも言われる場所である。
「長大な砂浜ね!梅子ちゃん、ここにファッションのヒントはあるかしら?」
「庄内砂丘といえば、安部公房が小説“砂の女”の着想を得た場所よね。」
「砂の女!これまたなんとファッション示唆に富んだキーワード!」
「ねえねえシンヤちゃん、何だかこれピラミッドっぽくない?」
「全くね。砂丘だし雰囲気あるね。一曲唄うわ。月の〜砂漠を〜♪」
シンヤと梅子のやり取りをずっと聞いていたレインボーが遂に突っ込む。
「結局ただの観光じゃん!!示唆に富むとか言ってるだけでファッション関係なし!!」
こうしてピラミッドにはきれいな虹をかけたレインボーだった。
つづく
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というわけで最後は駆け足の私の山形観光の御紹介でした。
庄内砂丘はなかなかの穴場なのではないでしょうか?
一泊ではもの足りず、もっと時間をかけて観光したかったところですが、
当初の目的のシンヤと故郷の記念写真が撮れてそれなりに満足はしました。

新潟県村上を後にし、目的地のあつみ温泉へと到着したクラブこけし一行。
早速“シンヤ”(店外59他)の生家である『阿部こけし店』へとやってきた。
あつみ3
「ああ懐かしい!梅子ちゃん、ここが私の生家よ!」
「まだ実家があるなんて羨ましいわシンヤちゃん。」
「じゃあお祝いと言うことで、それ!レインボー!」虹を出すレインボー。
その虹の気配にこけし店からおじいさんが出てくる。
「その声はシンヤか!よう帰ってきた!」
「父ちゃん!お懐かしや!シンヤは東京で立派にやっておりますよ!」
「そしてそちらはクラブこけしオーナー殿ですな。一時間遅刻とはいい度胸だ。」
「つい村上で遊びすぎまして・・・。新たなスカウトのご相談お願いします!」
「まあ上がりなさい。つぶ貝でも食べながら話を聞こう。」
概ねそんな流れで、阿部進也工人と奥様と共に有意義な時間を過ごしたのであった。
その後ホテルに落ち着いた一行は、村上で手に入れた名物菓子を前に一息つく。
あつみ4
「これが村上銘菓、鮭の切身落雁ね。ビジュアルは十分だわ梅子ちゃん。」
「確かに乙女心をくすぐるけど、落雁か・・・味は大体想像が・・・。」
「二人共、こういううものを味わえんでは真のおしゃれとは言えんのだよ!」
偉そうに言うオーナーだが、そもそも落雁を普段食べないので味をよく知らない。
したり顔で落雁にかじりついたオーナーの表情は微妙になっていく。
「どうなのオーナー?おしゃれに味わえてるの?」
「こ、これは中々に大人な・・・うぷっ」
横で見ていたレインボーも興味津々で落雁にかじりつく。
「どれどれモグモグ・・・!これ美味くないねー!!」
「ああ、はっきり言っちゃった!想像はついていたけどね。」
「そんなことはないのだよ!美味いのだよ!君らは食べんでよろしい!」
脂汗をうっすらうかべつつ、鮭の切身落雁を完食したオーナーであった。
つづく
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見た目インパクト大な落雁、中は餡入りです。
子供舌の私には、なかなか大人なお菓子でした。お茶は必須ですね。
さて、いつか機会があればと思っていたあつみ温泉と阿部こけし店。
工人や奥さんにもお会いでき、その厚い待遇に大層感謝するところです。
新たなスカウトの結果の話はまたの機会にいたしますのでお楽しみに。

この度クラブこけしオーナーは山形のあつみ温泉を訪ねようと思い立ち、
その地を故郷とするシンヤに、梅子と暇だというレインボー(店外111他)が付いて来た。
なおクラブこけしきってのおしゃれ(個性的)好き“シンヤ”(店外58他)と、
緻密な梅模様の衣装の“梅子”(第44話)、互いのセンスを認め合う二人は仲が良い。
その旅行の途中、観光で新潟県村上の『千年鮭きっかわ』に寄った一行は、
店内の広がる光景に一行は目を奪われていた。
あつみ1
「シンヤちゃん・・・天井から鮭が!!しかも大量に!!」
「天を埋め尽くす鮭・・・ものすごいインパクトだわ梅ちゃん!」
「でもこれ、結構禍々しくない・・?」レインボーは少し怯え気味である。
大量の鮭を釣るし干しする光景にファッショニスタシンヤと梅子の血が騒ぎ出す。
「梅ちゃん!このインパクトをファッションに取り込めないかしら!」
「そうね・・・スカートよ!この鮭をスカートしして腰にぐるりと垂らすのよ!」
「いや梅ちゃん、それじゃあこの頭上からの圧力が表現できないわ!」
「じゃあ・・・帽子よシンヤちゃん!つば付きハットにぐるりと鮭を垂らすの!」
「なるほど!圧迫感が出るね!ブルネットにすだれ状に垂らすのも良いかも!」
二人の会話の狂気じみた内容にレインボーは不安を感じ始める。
(二人共ここの不思議なムードに飲まれているの?!私の虹で目を覚まさせなきゃ!)
「それ!レインボー!・・・あれ?」彼女の虹を出現させる能力が発現しない。
「フフフ、無駄だよお嬢さん。我らの制圧する上空に虹などかかろうものか!!」
頭上の鮭達が皆ニヤニヤ笑っている。「ひえええ!皆脱出よ!」
レインボーに促され、シンヤと梅子は強制的に店を脱出したのであった。
その後、途中に寄った『笹川流れ』から海を眺めながらシンヤと梅子は思う。
あつみ2
「さっきのあれ、完全に鮭の影響下にあったわねシンヤちゃん。」
「う〜ん、でも斬新な発想だった気も・・・、梅ちゃん、継続検討ね。」
「しなくていいわよ!」ツッコミながらやっと虹を出したレインボーであった。
つづく
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あつみ温泉を目指してレンタカーを飛ばしてきました。
常々見たいと思っていた村上の『千年鮭きっかわ』の光景、
予想を上回る、ある種の恐怖を覚える程の圧倒的なものでした。
この干した鮭の"鮭の酒びたし"なる商品、美味しいけどなかなか高級・・(泣)

新潟県糸魚川市の日本海側、筒石海岸を散策していた若先生とツタフミ・一子は、
若先生の先導で筒石集落へと移動。街並みを目にしたツタフミは驚愕の声を上げる。
筒石1
「す、凄い密度の木造家屋群!しかも三階建がずらり・・・!!
若先生、これは一体どういう状況なのですか!?何かの産業の集散地ですか?」
「全て通常の住宅が集まった漁村集落ですよ。私も最初は驚いたものです。」
「今でこそ木造三階建住宅は珍しくないかもしれませんが、
ここはどれも年季の入った家ばかり。しかもここまで建て込むなんてなぜ?」
「ここは通称『筒石の断崖下の街並み』と呼ばれています。
街の裏側には急峻な山並みが迫り、かつその向かいは日本海。
山と海に挟まれた家々はその敷地を活かすべく上へと伸びた結果なんですよ。」
「なるほど・・・、とはいえこの光景は圧巻ですね!」
筒石2
一同息を飲みながら街路を散策する中、一子が家々のある特徴に気がつく。
「若先生、玄関先の街路に面して流し場を備えている家が結構多いですね。」
「ええ、恐らく漁港街ということで、魚の処理等に便利なのかもしれませんね。」
「なるほど。」
「あとこれは推測ですが、この街並みは火災に対し大変に不利な構造と思われます。
水場が通りにあると、初期消火の観点から有効に協力しあえる様にも思われます。」
「確かに。街並みを維持していくと言うのは大変なんですね。」
「かくいう私も“若先生”の名を冠する手前、その維持は色々大変な部分があるのですよ!」
それを聞き一子がハッとする。
「若先生?!もしかして実は結構なお歳なので?」
若先生の、“名前と見た目の割に結構なオヤジ”疑惑を抱いていた一子が聞き返す。
「フフフ。詳細は秘密ですよ!ただこの名に恥じぬようには心がけたいものです!」
その心がけが上手く言っているのか微妙に思う一子であったが、
このちょっとした告白で、これまでの若先生の言動が多少腑に落ちた一子であった。
つづく
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この筒石の街並みに対する私の驚きも伝わりましたでしょうか。
ここまでの三階建て含む住宅密集地を正直見たことがありません。
観光地にもなっていませんが、まだまだ日本の街並み観光も侮れないものです。
ちなみに若先生と私は実は同い年!アンチエイジングに気を割く今日この頃です。

若先生と一行の新潟旅行、二日目は日本海へとやってきていた。
筒石集落前の海岸では、舟屋群を前に若先生が説明を行っていた。
筒石舟屋1
「どうですかツタフミさん、一子さん。なかなかの光景ではないですか?」
「若先生!こんな建物がまだ残っているんですね。」
朽ちつつはあれど日本海を背景に広がる舟屋群の光景に、ツタフミも一子も息をのむ。
筒石舟屋2
「筒石の漁港に実質の機能は移りましが、ここではその名残を見ることがでます。」
「若先生、フランス帰りだというのにこういうのもホントお詳しいんですね。」
「こうして船を吊るのは、かつて津波で船をさらわれた教訓かららしいですね。」
「それにしたって海に近すぎないですか。普段から危うい気がしますが。」
「いい質問ですツタフミさん。実は日本海は干満差が小さいんですよ。
だから結構こういった建物が海岸沿いに並ぶことが地域的にあるんですね。
以前‘行き倒れ’君が京都の伊根に行ってましたが、あそこもそういうことなんですよ。」
「へぇ〜。若先生、勉強になります。」
若先生の“実は結構オヤジ”疑惑を持つ一子も、その説明には素直に感心していた。
筒石の集落見学へと移動するため海岸を歩き始めた一行。
日本海を眺めつつ若先生は何やら鼻歌交じりである。それを聞いたツタフミが尋ねる。
「ご機嫌ですね若先生!今の『ラ・メール』ですか?フランスの海が恋しいんですね!」
「いえいえ、私の解説を君たちが素直に聞いてくれるので嬉しいんですよ。」
「若先生の講義はとても為になりますから!」今日もツタフミは楽しそうである。
しかし、一子は今日も気がついてしまう。
(違うわよツタフミ先輩。さっきの鼻歌、八代亜紀の『舟歌』だったから。)
若先生のオヤジ感に最早驚くことはなくなりつつある一子である。
その後も楽しそうに若先生に話しかけ続けるツタフミを見ながら、
(ツタフミ先輩、“女は無口なひとがいい〜♪”って若先生思ってるわよ。)
と思いつつ、『舟歌』の続きの鼻歌を引き継ぐ一子であった。
つづく
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筒石の舟屋群、なかなかの見ごたえでしたがメジャーな紹介はほぼされていません。
当然観光客もおらず、のびのび観光およびこけし写真が撮れました。
舟歌を上機嫌に口ずさんでいたのは当の私です。
次回はこれまたなかなかの見ごたえの筒石集落、お楽しみに。

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