こけし達の活動をサポートするこけし業界団体の一員の大ママ(50話他)は、
師走の稼ぎ時のこの時期、こけし達を奮起すべく各店舗を回っており、
その日はアシスタントの‘キク’と共にクラブこけしを訪れていた。
キクと大ママ
「もっふんママ分かってるの?稼ぎ時なんだからしっかり頼むわよ!」
「わ、分かってるわ大ママ、最善を尽くす・・・もふ。」
「最善じゃダメなの。結果なのよ!ホント頼むわよ!それにしても忙しいわ。」
大ママの眼力に今日もタジタジのもっふんママは話を変える。
「ところで大ママ、その娘は?」
「キクちゃんよ。忙しすぎてアシスタントに付いてもらってるのよ。」
その娘はまるで大阪名物“みたらし小餅”の如くふっくらとした顔立ちである。
「初めましてキクです!申し訳ありませんが大ママにお茶などをただけると・・・」
多忙な大ママを気遣ってか、しかしその目は店先の干し柿を見ている。
「これは失礼したもふ。丁度干し柿もあるし、筒(店外24他)ちゃん準備よろしくもふ。」
大ママの来訪時から何故か側にいた筒は、程なく干し柿を添えお茶を持ってきた。
しかし大ママは忙しく「もう時間だわ!すぐ次にいかないと!」と席を立つ。
キクと筒
実はこれこそ筒が予想し、ママ達の側にいた理由。彼女はここぞと口を開く。
「では、この干し柿はもったいないので私が!」
しかしこの事態を同じく予想し、同時に同じ言葉を発していたのはキクであった。
彼女は素早い手捌きでサッと干し柿をかすめ取ると、パクリと口に放り込む。
筒はハッと気付く(ま、まさかこの娘が“早手のキク”!)
そんな筒に勝ち誇った目線を送るキク(フフフ、脇が甘いわよ“底なしの筒”)
互いの噂だけは聞いていた二人の、これが初の出会いであった。
「行くわよキクちゃん!それにしてもこんな忙しいのにアンタ痩せないわね。」
首を傾げつつも慌ただしく去っていく大ママとキク。
もっふんママはホッとし、筒は歯ぎしりをしつつ二人を見送ったのであった。
つづく
キク
○渾名:キク(肘折系)

○工人:佐藤きく
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佐藤きくさんによる、夫である巳之助氏の本人型となるでしょうか。
所謂の肘折系とはちょっと異質な丸頭ですが、特筆すべきはこのほっぺたの豊かさ!
この量感にきくさんの女性らしさが表れてい気がします。ツボでした。
首から下がるのはスケジュール帳のつもりの、購入店の商品タグです。
なお現在、吊るしで頂いた干し柿をこけし棚に引っ掛けています。