赤んぼ先生一門の新潟研修旅行は、松之山温泉方面へと移動。
そして若先生・ツタフミ・一子が訪れたのは『美人林』。(赤んぼ先生は一足先に温泉へ)
大正末期に伐採された禿山に、一斉にブナが芽生え今日までおよそ100年。
木々の佇まいが美しいと評判になり、今や年間10万人が訪れるという景勝地である。
林の中ではその『美人林』の成り立ちについての講義を若先生が行っていた。
「そういうわけで、一斉に育ったブナはそれぞれ高さや幹の太さも揃って美しく、
ブナと言う樹種の瑞々しさも相まって『美人林』と呼ばれるようになったんですよ。」
「若先生は本当に何でもお詳しいんですね。」尊敬の眼差しでツタフミが応える。
「この林はツタフミさんや一子さんにとてもお似合いですよ。美人ですからね!」
「若先生ったらもう!」
例によってそんなやり取りを低い温度で聞いている一子。
若先生が時折発するダジャレにより、彼に対するオヤジ疑惑が拭えないのである。
「ところで皆さん、『美人林』と聞いて連想することはありませんか?」
「ええと、得には思い当たりませんけど?なんでしょう若先生。」
「私はですね、つい『美人局』(つつもたせ)を連想してしまうんですよ。」
(なんでやねん!っていうかやっぱり発想がオヤジだわ!)内心突っ込む一子。
(なんでやねん!っていうかやっぱり発想がオヤジだわ!)内心突っ込む一子。
「ああ確かに!字面が似ていますね!」感心しているツタフミ。
「美人局には気をつけたいものですね。くわばら、くわばらですよ。」
ご冗談をと笑うツタフミの横で一子は確信する。
(くわばらって・・・若先生、やっぱ結構なオヤジだわ。うん、決定。)
「余談ですが『美人局』は美人女子アナの多いテレビ局もつい連想してしまいますね。」
「若先生ったら、面白い発想ですね!」ツタフミは終始楽しそうである。
(まあ、若先生がオヤジだからって別にどうでもいいか)と一子は思いつつ、
美人女子アナの多いテレビ局という発想はちょっとツボに入ったという。
つづく
=====================ブナ林の中でのこけし写真、森の妖精感が出て何だかメルヘンです。
『美人林』とは不思議なネーミングセンスですが、結構人気のようです。
下は松之山温泉「凌雲閣」の部屋のおまけ写真です。(机にこけし)
天井には将棋盤や碁盤。自由な発想というか、中々な混沌です。
天井には将棋盤や碁盤。自由な発想というか、中々な混沌です。
コメント
コメント一覧 (2)
「美人草(びじんそう)」なるゆかしい名の植物が現存致して居ります♪
しかもその現物を、なんと!我が国では二種も目にすることが可能なのです。以下その内訳。↓
①その花所縁の人物が美形だったので、この名がついた植物
春咲く花を見る為に植栽される草本。フランスやスペインの田園風景の画に登場するものは、花がはっきりした朱赤色。
②その一部が、人を美しくする為に利用されたのでこの名がついた植物
山野に自生する蔓性の植物で、花が終わると数個集まった赤い実を付けます。『小倉百人一首』に採られた歌の一にも入っておりますよ。(←下の句「人に知られで…」)
さあー若先生、①②の植物名…(ヒント一杯差し上げましたし♪~当然)お分かりです・よ・ね?(ニヤリ)
まずは『ヒナゲシ』。ヒナゲシとポピーは一緒だったか!コクリコはヒナゲシのフランス語なのか!虞美人が敵に囲まれた逸話が“四面楚歌”だったか!・・・等々、目からウロコをばら撒いてしまいました。そう言えばこの前ふと通りがかりの店で見たペルシャの絨毯にもポピーがモチーフになっていて「へぇ」と思ったけど、世界中に繁殖し親しまれている花であると知るにつけ、そりゃそうか!と気づく始末です。
そして『サネカズラ』。百人一首を改めて確認すると共に、日本語の美しさをため息が出るほど再認識してしまいました。そういった歌に込められた機微もわからずなんと適当にかるた遊びをしていたことか。
この辺の教養をいつか赤んぼ先生や若先生が教えてくれる日がくるのか?大変にあやしいところでございます。こういったことはこけっとりさんから教わるよりないような気がしています。おかげさまで素敵な勉強時間を過ごささせてもらいました。