赤んぼ先生の助手として新たに若先生(144話)を迎えたことをお祝いし、
赤んぼ先生と、その書生のツタフミ・一子達は新潟旅行を執り行った。
懇親目的ではあるが、それなりに新潟の歴史文化を学びつつの研修旅行である。
一行がまず訪れたのは柏崎市の山あいに位置する“荻ノ島環状集落”。
新潟1
山中に開けた田園を茅葺の民家が取り囲むという、情感に溢れた集落地域である。
秋晴れの空の下、改めての若先生紹介が赤んぼ先生により行われる。
「若先生は実はでちね、日本の民俗学的分野にも造詣が深いんでち。
というわけでこの集落については若先生から説明いただくでち。」
「若先生、ご教授お願いします!」ツタフミが真摯な眼差しを若先生に向ける。
そんなやり取りを見ながら一子は思うことがある。
(若先生、教養は確かなんだろうけど、ちょっとオヤジ臭いところあるのよね・・・
あのたまに出るダジャレ、ツタフミ先輩は気付いてないのかしら・・・。)
「では若輩ながら、私、若先生が荻ノ島環状集落について少し説明いたします。」
メモノートを手に、若先生を見るツタフミの目はキラキラ輝いている。
「実は明治の火事で集落の資料の多くが消失してしまい詳しくは不明なのですが、
貝塚や土器等が出土している事から、歴史は縄文まで遡ると思われます。」
「ああ若先生、まだお若いのになんて広い知識・・!」ギャップ萌にうっとりのツタフミ。
「長閑な環状集落の風景にも歴史がある事、意識しないといカンジョウ!」
(出た!)一子はハッとしツタフミを見るも、やはり彼女は気付かない様子である。
「はい!若先生!地域の歴史・文化を知る事は大事ですよね!」
「アサリ貝の貝塚は当時の情報を多く含むので、非常にアサリガイがあります!」
「貝塚から当時の生活が伺えるからですね。若先生、勉強になります!」
講義にノリノリのツタフミを見唖然とする一子。ふと赤んぼ先生に目を向ける。
「プププッ、“いカンジョウ”とは・・・!」こちらは大うけの様子。
一子の大きなため息は、秋晴れの空に吸い込まれていくのであった。
つづく
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荻ノ島環状集落はそこまでメジャーではないと思われますが、
生きた景色としてこういった地域があることに感銘を受けました。
天気も良いのでこけしの写りも上々です。