クラブこけしの年末温泉旅行の続き、滅多に訪れることのない新潟ということで、
JR弥彦線の終点、弥彦駅より徒歩15分の彌彦神社に参拝しようという運びとなった。
一行はこの一年間の無事と感謝を報告し参拝を終えると、門前の喫茶店に立ち寄った。
年末を迎える事の出来た安堵感をそれぞれに感じながら、
店内ではオーナーやこけし達のとりとめのない思いや会話が交錯していた。
新潟2彌彦神社
大沼のおばさんは延々と彌彦神社について知識を語り始める。
「彌彦神社は2400年もの歴史がある、もったいないくらい有り難い神社なのよ。
参拝の作法も普通は二礼二拍手一礼だけど、ここは二礼四拍手一礼なのよね。
もったいない程の珍しさね。そもそも天香山命(あまのかぐやまのみこと)が・・・」
ピヨピヨは独特な形のコーヒーカップに気をとられている。
“これは飲み辛そうね。こういう変な個性出してくる店ってあるのよね。
カップは別に普通でいいのよ。味で勝負だと思うのよね。
まあでもオーナーに味なんかわからないか・・・”
オーナーは写真を構え、しきりにアングルを考えながらブツブツ言っている。
「コーヒーとスイーツ越しに神社の鳥居が入るなんて、なんて贅沢なアングル!
スイーツで女心を掴みつつも、鳥居とこけしで和の雰囲気も醸し出す。
女子も外人さんもこんな写真見たらメロメロなんじゃないの?!」
ゆさこは思う。
“オーナー妙に張り切っているけど、この写真絶対大した事ないわ。
さほどの絵面じゃないことに、年末で浮かれたオーナーは気づいてないし。
ピントもどこ合わせかしら?ケーキ?私?鳥居?きっと全部のつもりね。ムリムリ。
それに写真ってみんなのバラバラな思いが結構反映されちゃうもんなのよね。
それらをまとめ上げる腕をオーナーは持っていないしね・・・”
結果として写真の出来栄えは、概ねゆさこの思った通りの仕上がりであること、
年が明けて写真を見直したオーナーは感じるのであった。
つづく
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写真を撮る時は何だかすごくいいアングルな気がしてたものが、
後になり『何でこれ何枚も撮ったんだろう?』と思うことが多々あります。
この時は年末でとても浮かれ気分だった気がします。
しかしその何かしらの感動を写真に表現出来ない私の腕も精進が必要なのでしょう。
という訳で、実はうっかり出し忘れていた年末編ここまでです。