黒マントのお父さんと、娘の赤マント(店外129話他)はその日、
東京都江東区の月島近辺を歩いていた。
「赤マントよ、関東の大型船観光スポットといえば例えばどこか思いつくかな?」
「知ってましゅ。横浜の日本丸でしゅ!」
「うむ、その通り。あと山下公園に係留している氷川丸なんかも有名であるね。」
「船と言えば横浜でしゅね。いつか行ってみたいでしゅ!今なぜその話を?」
「フフフ、実はお父さんは誰も知らない大型船観光スポットを知っているのだよ!」
「この江東区にそんなところがあるんでしゅか?!」
「そうであるとも!さあ、ご覧なさい、赤マントよ!!」
豊洲運河にかかる相生橋を渡りつつ黒マントのお父さんはその先を指し示した。
明治丸
「な、なんと!確かに帆船がいるでしゅ!なんでしゅかあれは?」
「あれは明治丸!日本に現存する唯一の鉄船(普通は鋼船)として、
船としては初の国の重要文化財にも指定されているのだよ。
活躍後は、この東京海洋大学に陸揚げされ、一般に公開されているのだよ!」
「そうだったんでしゅか!?まったく知らなかったでしゅ!」
「そう、あまりにマイナー過ぎて誰も知らない穴場観光スポットなのだよ!
娘よ、あそこでシルクハットの異人さんと赤いマントの女の子ごっこをしようでないか!」
「謎のごっこ遊びでしゅね!!でも面白そうでしゅ!レッツゴーでしゅ!」
こうして親子は観覧場入り口まで胸を弾ませてたどりついたのであった。
「お父ちゃん、これ・・・。こういう詰めの甘さがお父ちゃんらしいでしゅ。」
「・・・うむ、すまん娘よ。」
入口には改修工事中につき休館中の表記がされていた。
「仕方ない・・・、赤マントよ、気を取り直してシルクハットの異人さん、
月島もんじゃで文明開化ごっこをしようではないか!」
「さっきからお父ちゃんの世界観がよくわからないでしゅ。」
普段なかなか取れない親子の時間をそれなりに楽しんだ二人であった。
つづく
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明治丸、全く知りませんでした。というかみんな知らないんじゃないでしょうか?
ブレイクするかわかりませんが今が観光チャンスな気がします。
詰めが甘かったのは私で、赤い靴の女の子ごっこはまたの機会とします。