クラブこけしのひで子と友人みつ子(137話)がいるのは、なんとかまくらの中。
酸ヶ湯1
「故郷の空気だねみつ子ちゃん!でもこの時期に来るとは思わなかったね。」
「そうですねぇ〜。どうやら積雪も4メートルを超えたようですねぇ。」
酸ヶ湯2
ここは青森県の酸ヶ湯温泉。「雪が見たい!」というクラブこけしオーナーの思いで、
あえて雪真っ盛りの2月、週末を利用して電車とバスを乗り継ぎやって来たのである。
「たまにオーナー、こういう謎の気骨を見せるときがあるのよね。」
「有難いことですよひで子ちゃん。おかげで私も楽しんでおりますよ。」
いつものように目を閉じ、柔らかい物腰で相槌を打つみつ子。旅館内に二人は移動する。
酸ヶ湯3
「ほらみつ子ちゃん、ねぶた祭りの山車だよ!あ、でもミニチュアね。残念。」
「残念なことはありませんよ。これでも十分な迫力ですよ。」
「それにしても、こんな雪深いのに旅館の営業も大変よね。」
「そうですねぇ〜。でも季節毎に良いことがあるように私は思いますよ。」
心地よい相槌を打つみつ子だが、極稀に『当たり』と称される毒舌が発作的に出る。
ひで子は早くこれを引き当てたくてワクワクと会話を続けるのである。
「そうそうみつ子ちゃん、ここの名物“ヒバ千人風呂”って混浴なんだよね。」
「そのようですねぇ〜。古き良き湯治場文化が息づいていますねぇ。」
「オーナーの目的って、もしかしたらそっちだったりしてね。」
「ダメですよひで子ちゃん、そんなこと・・あるわね!完全に鼻の下長くなってたね!
雪が見たいとか言ってたけどあのエロガッパ、本命はそっちね。」
「ちょっとまちなさい!」風呂に行こうと通りがかったオーナーがたまらず口を挟む。
「こっちは愛人をどう匿いながら入るかでそれどころではないのだよ。まったく!」
そう言いながらオーナーは愛人と共に風呂へと向かっていった。
「上手く行くといいですねぇ〜。ごゆっくり〜。」
何事も無かったように普段の物腰にもどるみつ子。
一方、今回もみつ子の『当たり』を引き出せたひで子はご満悦であった。
22
つづく
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念願の酸ヶ湯温泉、豪雪も満喫しようと時期を選んで愛人と共に行ってまいりました。
混浴問題がいろいろな意味であったのですが、愛人は“湯浴み”も着ずに突入。
結論、この季節は湯けむりで1M先が見えない程。自他共に何も気になりませんでした。
(夏場は湯気が薄く、そう上手くはいかないとは旅館の方の話でした)
酸性度が以上に高く、体ヒリヒリ、目に入ると悶絶。でも良いお湯でした。