大して本数も無い癖に、様々な切り口でウチのこけしを紹介してきた“ちょっと一息”。
今回は『オーダーこけし』でまとめてみようと思います。
ある特定のこけしがほしいという情熱が、こけし好きをオーダー行為に駆り立てます。
こけし集めの醍醐味の一つなのですが、こと私においてコレは結構勇気を要します。
オーダーには工人にコンタクトを取る必要が当然生じるのですが、そこで思うのは、
・自分のごときぺーぺーがそんなわがままを言っていいのか?
・そんな要望にも快く応じてもらえる人柄の工人だろうか?等々
これらの不安や緊張を乗り越えるだけの情熱と勇気が求められるのです!
それだけにゲットした面々はその人の収集傾向をよく表す一つの側面かと思います。
というわけで早速その戦利品全12本!勝手なタイプ分けでご紹介いたします。
暇つぶしに程度に画像と合わせお付き合いください。(今回長くてスイマセン)
オーダーこけし
〇資料オーダータイプ
こけし本や雑誌のコピーを工人に渡し「同じものを!」とお願いしたタイプです。
初オーダーとなったキイチは、直接工人に会ったわけではなく、
手紙とコピー資料をまず送り、その後電話をするという手順でお願いしました。
緊張のあまり中々に情熱的な手紙だった気が・・・今思うに微笑ましいことです。
リボンを付けたうんきち2号、実はこの設えは本来“ねまりこ”専用なのですが、
直接会えばこそ応じてもらえた、“こけし”としてはレアな一本かと思います。

〇カタログオーダータイプ(画像中のベトナム
青森観光の際ノープランでお店に寄ったのですが長谷川健三工人は不在でした。
思う物は無かったのですが、他のこけしを手に怪しげな行動をとっていると、
店にいた息子の優志氏が「もしかしてこけし集めてる人?」と問いかけられ、
そんな人たち用にと作品集のようなものを提示いただけました。
カタログオーダーといったところでしょうか。便利な方式だったと思います。

〇実演会タイプ(画像中のギイチムグムグ
イベント等で実演する工人さんに即興でお願いしたものです。
製作中に要望を取り入れる感じで、ライブ感のあるセミオーダーといったところです。
工人にとってはホームでないため勝手が違う大変さがあるようで、
あまり細かな要望は難しい場だと思われます。

〇偶然の出会いタイプ(画像中の守り神
山形の山寺のお店に行った際に首だけが工房に転がっていました。
目聡く見つけ、その表情に魅せられ「いいないいな」と言っていたら、
「丁度良い材料無いけど有り合わせで良ければ」と、工人が胴をつけてくれました。
衝撃のボディバランスですが、工人の人柄や旅の思い出も相まった大事な一本です。

〇ちょっと怪しいタイプ(画像中のゴットハンド
おまけのタイプ分けですが、某所に実演で来ていた工人にこの石蔵型お願いしたところ、
「次の実演会に作ったのを持ってくるね!」となりました。
約半年後、実演会に行くと「えーと・・そうだっけ?」みたいな。
完全に忘れていた感満載なのですが「あー!これだよね!」と出てきたのがこの一本。
確かにこれなのですがお願いしていたサイズと違うこともあり値下げしてくれました。
グレーなムードが漂いますが結果オーライでございます。

実はこれら以外に目下オーダー中(と言えるのか?)こけしが2本あります。
古い方は注文から3年以上が経過していますが・・・
最早忘れられたものと思い催促する気は無いのですが、
こけし集めに置いては、そんな縁の有無というのがある気がします。
某こけし店主も「何年も後、忘れた頃に来ることもあるよ。」と言っていました。
淡い期待ですが、こけしを待つ楽しみが続くという意味で良しとしています。

最後にしますが、今までオーダーでお会いした工人さん、皆良い人ばかりでした。
緊張はしましたが、それだけにどれも思い出深いこけしとなっています。
というところで私のオーダーこけしのご紹介、お付き合いありがとうございました。