「ボンジュール、サーバ!」
「ボンジュール、イーナ!」
フレンチなノリを楽しむのが好きな鯖湖こけし娘のサーバとイーナ(130話他)が、
とあるフランスめかしたショップの前で会話を楽しんでいた。
「サバ(元気)?イーナ。」
「ウィ サバ!」
そんな光景を傍から眺めていたクラブこけしのオーナーが大きなくしゃみをする。
「は、は、はぁっくしょん!ズビビビ・・・」
「オーナー ビエン?マンセイビエン?」
「なんかフランス語っぽい響きだのう・・、しかし慢性鼻炎ではなく花粉症なのだよ。」
「もう、オーナーのそのくしゃみで雰囲気が台無しよう、ねえサーバ。」
「そうねえ、横でそんなにズビズビされたんじゃあ気が散るわ。」
「気が散るも何も、ここでするその変なフランス語みたいな会話がそんなに楽しいかね?」
オーナー達がいたのはフランスではなく、東京は飯田橋の『日仏学院』。
このちょっぴりフランス気分の味わえるスポットに彼女達の希望で来ていたのであった。
「だったら本物のフランスに連れてってよ、オーナー。」
「そんな余裕も暇もありゃせんのだよ。」
「オーナー ショボイワ。あ、“ショボイワ”ってフレンチっぽいよねサーバ。」
「そうねイーナ。オーナー ビエン デ ショボイワ。」
「サーバ、シッポマ デ アーン?ワサンボン?」
「ウィ!シッポマ デ アン!ホンデ オーナーノ オゴリ!」
どうやら二人は気分を切り替え、尻尾まで餡(和三盆糖使用)の詰まった
たい焼きを食べに行こうという話でまとまったようである。
たい焼きを食べに行こうという話でまとまったようである。
花粉症に苦しみながらもオーナーは二人に付き合いたい焼きを奢ってあげたのであった。
=====================つづく
最近東京の隠れた名物スポットを巡っているのですが、日仏学院もその一つです。
こけしとフランス、変な取り合わせですが、ショップのレトロなカラフルさと、
コメント
コメント一覧 (2)
よし&のり(=コメ主の一筆眼喜一型の入れ子こけ二人組。キイチちゃんの妹)「おーっと忠子姉ちゃん、フランス山周辺観光は確かにそこそこ好いけどねェ…所有者まで引っ張り出してくるのはどーかしらん?だって、陽が落ちると直ぐに…」
忠子「あー、『止まり木』の類いに引っ張って行かれる、って?まーその辺は大丈夫なンじゃない?だってサーバちゃんもイーナちゃんも、嘗て回り舞台まで在った位遊芸の盛んだった温泉場の出身、なンだもぉ~ん♪」
↑忠子は、同郷の士をダシにしてBAR行くのを目論んでるだけっぽいですね(笑)初登場の「よし&のり」の二人は新山吉紀氏作、胴の中央に切れ目があるタイプではなく、胴底を引き抜くと一回り小さいコが現われる入れ子こけしです。三年程前、都内某所の実演即売会にお父ちゃんと一緒に来ていました。眼の周りに薄い紅を入れたコ達よりずっとコドモな感じなので「お酒ダメ~」的な科白付けました。