クラブこけしオーナーにとって一昨年前より恒例となっているのが酉の市参り。
昨年末、新たな一年の商売繁盛を願い浅草の鷲神社に詣でたのだが、
熊手を買うにあたり今回同行を買って出たのは“ゴッドハンド”
113話であった。
彼女曰く「同じ熊手でもその効果には実はムラがあります。くじ運の無いオーナーさんの事、
きっと実の少ないものを掴んでしまうことでしょう。」
「くじ運の悪さを良くご存じで。では今年はゴッドちゃんが代わりに選んでくれるかな!」
「はい、そのつもりです。この袖から覗く幸運の手で選び出してあげましょう!」
というわけで、今年は意気揚々と神社にやってっきたオーナーであった。
混雑する各店を見て回るゴットハンドは、とある熊手の前でオーナーを呼ぶ。
酉の市2017_1
「オーナーさん!この宝船タイプから並々ならぬ運気を感じます。さあ、お店の方と交渉を!」
「そ、そうであるか・・・しかしこれは・・・。」
酉の市の熊手に基本的に値札は無く、ある程度の物は店でその値を交渉するのが常である。
しかし宝船からは明らかにオーナーの予算をオーバーしているオーラが放たれている。
「どうしたんですかオーナーさん?人見知りですか?何なら交渉は私も手伝いますよ。」
「いや、その、明らかに予算を超えて・・・」
「そうなんですか!?多少気にしたつもりですが、あの、ちなみにご予算は?」
「その・・・千円から二千円くらいで・・・。」
「この、貧乏オーナーが!!あ、失礼、つい・・・、ではその前提で頑張りましょう。」
果たして均一コーナーより苦心の末、彼女は一つの熊手を選び出したのであった。
「オーナーさんこれです!これならそこそこのご利益が期待できることでしょう!」
「おお!ありがとうよゴットちゃん!来てもらったかいがあったのだよ!」
彼女はオーナーに労われ微笑むも、秘密の力を使いすぎたその頬はゲッソリしていたという。
こうしてこの熊手は一年間店に飾られることになるのであった。
酉の市2017_2
つづく
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一昨年前初めて行った酉の市の活気に感動して、昨年も詣でておりました。
写真は店の人に断り撮らせてもらいましたが、何のことやらと思われたことでしょう。
着物姿のこけしは季節的にも和の縁起物とも良くお似合いです。
買った熊手を洗濯ばさみで立たせるあたり、うだつの上がらなさが表れています。