“赤んぼ先生”(店外12他)はその日恩師である“キヨ子”(店外71他)の元に久しぶりに来ていた。
「キヨ子先生お変わりなく何よりでち。ところでそちらの娘さんは誰でち?」
「実は色々忙しくてアシスタントを一人付けたのよ。朝顔ちゃんって言うの。」
「はい!朝顔です!キヨ子先生のお手伝いをしています!よろしくお願いいたします。」
胴模様に朝顔が描かれた小柄で利発そうな娘はハキハキと自己紹介をした。
朝顔とキヨ子
「朝顔ちゃんて面白いのよ。ちょっと赤んぼ君、彼女に何か冗談言ってみてよ。」
「冗談でちか、そうでちね・・・ではお得意のアメリカンジョークを一つ。
『仕事が楽になると聞いて、俺はパソコンを買おうと店に行ったら店員がこう言うのさ。
お客さん、このパソコンを買えば仕事量が1/2になりますよってね。
だから俺はそいつにこう言ったのさ。じゃあそのパソコンを2台くれよ。』
どうでちか、朝顔ちゃん?」
「・・・なるほど、PCを2台連結し人工知能並みの処理能力に高めようという話ですね!」
「?!キ、キヨ子先生、この娘はまさか!」
「うふふ、そうなの、真面目すぎて冗談が通じないのよ。面白い娘でしょう!」
「そうなんでちか!?じゃあもう一つ。『俺はナンパしようと女性に声をかけたのさ。
彼女お茶しない?おっと誤解しないでくれ。俺は誰彼構わず誘ってる訳じゃないぜ!ってね。
そしたら彼女は言うのさ。ごめんなさい。でも誤解しないでね。
私も誰かれ構わず断っている訳じゃないのよ、だとさ』どうでち?」
「ナンパはいけません!断られてあたりまえですよ!」
「なんと、ここまで冗談が通じないとは、確かに面白い娘でちよキヨ子先生!」
「ま、まあね、そもそも
アメリカンジョークってそんなに笑えないけどね・・
ていうか赤んぼ君のアメリカンジョーク好きの方が以外だわ。」
朝顔の真面目さを再確認すると共に、赤んぼ先生の新たな一面を知ったキヨ子であった。
つづく
朝顔
○渾名:朝顔(木地山系)
○工人:小野寺正徳
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銀座の交通会館にある秋田の物産店にいた小寸の一本です。
シカク(店外94他)の姉妹ですがもう少しキリリとしてますでしょうか。
眉や目元の線が途切れる感じの小野寺工人独特な筆致で可愛く仕上っております。
さ突然のアメリカンジョーク回でしたが、これは笑うというより落語的なものですよね。