カニ旅行』を続ける一行が訪れたのは、“定義山”の愛称で親しまれる定義如来西方寺。
こけし娘達の出身である作並温泉の近場ながら一族の縄張り外らしく、皆来るのは初めてである。
山奥に突如として開かれた西方寺門前の荘厳な佇まいに皆のテンションは上がり、
記念写真を撮ろうとカメラを覗いたクラブこけしオーナーだが、そこでふと違和感を感じる。
「おや?何だか人数が増えてないるような?気のせいかな?」
カニ旅行3
後に写真を見れば、こけし娘“ワラビ”(131話)が混ざり込んでいるのは一目瞭然なのだが、
存在感を消せるという彼女の特殊能力により、現地でこれに気付く者はいない。
オーナーの発言を聞いたテイ子とジロ子はハッと目をあわせる。
「テイ子姉さん、これはまさか・・・伝説の定規山のもののけでは?!」
「人数が合わないということは・・・恐らくそうねジロ子さん。ここは秘儀“カニ点呼”の出番だわ!」
“カニ点呼”とは彼女達平賀一族に伝わる点呼法で、魔除けの力も併せ持つものらしい。
「じゃあ行くわよ!番号~、1カニ」
「2カニ!」
「3カニ!」
「4カニ!」
「5オーナー!」
「6ワラビ!」
「もののけ、見破ったり~!あっ!あなたはもしや、伝説のワラビ族の娘ね!」
瞬間ワラビの能力は解け彼女は姿を表すも、「ばれちゃった〜」と言い残し再び姿を消したのであった。
“カニ点呼”とはその場の者に点呼を強制する力をもつのだが、
一族以外は「カニ」を付けれない上、その素性を述べてしまうという秘伝の一族確認法なのである。
その後のワラビがどうなったかは第131話につづく話である。
定規山のもののけ伝説として聞いていたワラビ族の存在も確認出来、
一行にとってファンタジックな観光であったという。
つづく
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定規山のこけしを伝説のように扱ってしまいましたが、普通に門前の『
有路こけし店』で売っています。
しかしながら、この門前町の突然開けた感じというか、隠れ里のような雰囲気は何とも印象的で、
このこけしに未開の民族との出会いの様なレア感があるせいか、こんな話と相成りました。
(なんだか失礼な言い方になっていたらスイマセン。ホント素敵なところでした。)
名物の“三角あぶらあげ”、パサパサした物かと思いきや、思いの外ジューシーで美味しかったです。