クラブこけしの仲良しコンビ“ゆさこ”と“ピヨピヨ”(店外1882他)は、その日店で見慣れぬ物を見つける。
ワラビとゆさピヨ1
「ピヨちゃん、蕨だ!突然にしてに蕨が生えているよ。前のエノキといい最近多いわね。」
「本当ねゆさこちゃん。きっと異常気象の影響ってやつね。収穫して晩御飯の足しにしましょう。」
二人が蕨に手を伸ばすと、すぐ近くから声が聞こえてくる。「・・・ここはどこでしょう?」
「ん?ピヨちゃん、何か言った?」
「ゆ、ゆさこちゃん、上、上ぇ!」
ワラビとゆさピヨ2
なんと二人が蕨と思ったものは、こけし娘の胴に描かれた模様であった。
そしてボーッとした面持ちのその娘は、何故自分がここにいるのか分かっていない様子である。
「わたしのなまえはワラビ・・なんでわたし、ここにいるのかしら・・・?」。
「うおぉぉっ、びっくりしたー!」謎の蕨こけしの出現に動転するゆさ・ピヨ
混沌とした事態の中、偶然通りかかったのが店に配達に来ていた“トウフ”(店外編81話)であった。
「あれっ?ワラビちゃん?!何故ここに?!」
「あ・・・トウフちゃんがいる。なんでだろう?よくわからない・・」
「あなたここ、クラブこけしよ?あっ!まさか
例の能力で定義山から誰かにくっ付いてきたの?」
トウフ曰く、ワラビはシダ植物の胞子の如く人にくっ付いては、気配無く移動する変な能力があるらしい。
「クラブこけし・・・そうだ、わたし・・・そこに行ってみたくなったんだっけ・・・」
「にしてもトウフちゃん、定義山って仙台でしょ?どうやってここまで・・?」
「あっ!そう言えばゆさこちゃん、最近オーナーがどっかに観光に行ってた気がする!!」
「話が見えてきたわね。とにかくワラビちゃんは保護してあげて頂戴。最早放っておけないわ。」
「・・・よろしくおねがいいたします。」
ボーッとしたワラビであるが、その表情は願いが叶い笑顔を浮かべているようにも思われた。
果たしてクラブこけしオーナーは最近どこにいっていたのか、それは今後のお話である。
つづく
ワラビ
○渾名:ワラビ(蔵王高湯系)
○工人:有路静夫
=====================
蕨の模様が独特な有路こけし、この胴模様が為にほしいと思った一本です。
そんな特徴的な胴模様のみならず、表情のオトボケ感も中々なもので、
こめかみの赤い点々が、ポケッと感に拍車をかけて見えてしまいます
(*゚o゚)~*。
山寺系のこけしは独特な一派を築いており何とも面白いです。