6月のある日クラブこけしオーナーは店のこけし娘“キイチ”と、
その姉である“キイチ姉さん”(店外編26他)に声をかけ、東京墨田区の『向島百花園』に来ていた。
江戸時代から続くという歴史ある草花鑑賞を主とした花園である。
「キイチちゃん、キイチ姉さんのご両人!ついに満を持してのこの時が来たのだよ!」
「私たちを誘ったってことは・・・ですよねオーナー!
!ほらキイチ姉さん、私の言った通りですよ!
「うむ!菖蒲(アヤメ)と、アヤメこけしと言われる君たちの念願のツーショット写真撮影会なのだよ!」
「いやっほぅ!流石オーナー!予想通りだわ!」
それぞれに念願が叶ったと浮かれるオーナーとキイチだが、キイチ姉さんはため息をついている。
向島百花園1
「やっぱりね、妾ァこんなことなんじゃァないかと思っていましたョ。はぁ・・・」
「むむ、いかがなされたキイチ姉さん。テンションが低いではないですか。」
「オーナーさん、こいつァ菖蒲(アヤメ)じゃァないのョ。花菖蒲(ハナショウブ)ですョ。」
「ハナショウブ!?」
キイチ姉さんは、オーナーとキイチに『ショウブ』『アヤメ』『ハナショウブ』、
そして『カキツバタ』の違いを滔々と説明した。(詳しくはコチラにまとめてあったりです)
向島百花園2
「そ、そうだったのか・・。」
「まァ浮かれた妹も妹ですョ。さァキイチ、賭けは妾の勝ちだ。甘酒をおごっておくれョ。」
「くっ・・やっぱり姉さんが賭けを持ち掛ける時は乗るもんじゃないわ・・」
「どういうことかねキイチちゃん。」
「いえ、姉さんが菖蒲(アヤメ)が撮れるか否かで賭けをしないかって・・・楽勝だと思ったのに。」
結局責任を感じたオーナーが皆に甘酒をおごってあげたという初夏の出来事であった。
つづく
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蒸し暑い日だったので冷やし甘酒が美味しかったです。
しかし今回のアヤメなど、こけしがらみで思わず勉強になることが時折あります。
(このなるほど感をいつまで覚えていられるか自信はありませんが。)
こけしの模様にちなんだツーショット写真は今後も続けられたら楽しいなと思っています。