クラブこけしの音楽担当“のど自慢”と“コーラス”(店外編10他)は、日々歌の練習に励んでいる。
その日はコーラスの妹である“タイ子”が、練習に参加したいと言ってきた。
見た目は着物姿の可愛らしいタイ子であるが、ヒップホップ好きで彼女なりに持論があるらしい。
タイ子とコーラス
「コーラス姉ちゃん、今の歌はハーモニーだけじゃ流行らないのよ。ラップを加えていかないと!」
「ラップ?良く分からないけど、私とのど自慢ちゃんの美しいハモリだけじゃ駄目なの?」
「とにかく二人でいつものようにやってみてよ。私がラップで盛り上げるから!」
こうしてのど自慢とコーラスは目下の練習曲『夏の思い出』を歌い始めた。
「♪夏が来〜れば思い出す〜」「<ラップ>レゲエ砂浜ビッグウェーブ!!」
「待った!何よ“レゲエ砂浜ビッグウェーブ”って!?尾瀬よ、尾瀬!!」
「え、そうだったの?」
「そうよ!それに曲調もちゃんと感じなさいよ。やるならもっとしっとりしたやつにして!」
気を取り直して練習が再開される。
「♪遥かな尾瀬〜 とおい空〜」「<ラップ>仲間たち親たちファンたちに感謝!」
「ちょっと、そういうありがちな変な感謝系もやめて。それにもっとこう韻とか踏むんじゃないの?」
「ああ、ハイハイ、韻ね。わかったわ。」再び再開。
「♪しゃくなげい〜ろに黄昏る〜 遥かな尾瀬〜 遠い空〜」
「<ラップ>Yo!それが君へのメッセージ!そして私はこの後マッサージ!」
「いい加減にしなさいタイ子!関係無いでしょ!ごめんねのど自慢ちゃん。この子もう返すから。」
それまで文句も言わず付き合っていたのど自慢が、しばしの思案顔の後口を開く。
「これ、アリじゃない?ねえコーラスちゃん、もう少しやってみましょうよ!」
「えええっ!」
こうしてユニットにタイ子が時折参加するようになり、着物姿のラップは新鮮でかわいいと評判らしい。
つづく
タイ子
○渾名:タイ子(木地山系)
○工人:阿部平四郎
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阿部平四郎工人の泰一郎型2本目でございます。
少寸(3寸ほど)ながら、井桁模様の着物が丁寧に描かれていて良い出来のような気がします。
ヒップホップに詳しくはありませんが、たまにある変なのが逆に面白かったりです。
デジカメの調子がおかしくなりつつあり画像に黄ばみも・・・もはや寿命か!?