クラブこけしに居付いて久しい、春の妖精“ヒナオ”と“ヒナコ”(104話、店外編7,11)がぼやいている。
「のうヒナコさん、あの日以来丸2年、ここに放っておかれてないでおじゃろうか。」
「そうじゃヒナオさん。わらわ達は決まった時期しかこのような台に据えてはならんはずでおじゃろう。」
「まったくじゃ。ここのオーナーの体たらくは信じられんわ。悪い冗談じゃ。」
「そうじゃ、そうじゃ!オーナーには天罰をくれてやるのじゃ。」
と、そこに突如、赤いヘルメットをかぶったこけし娘が意気揚々と、例の効果音を口にしながら現れた。
赤ヘルと雛こけし
「テッテレ~!!大成功!!」
「な、なんじゃお主は、その赤ヘルにそのプラカード・・・ということは、まさか!」
「ヒナオさん!それじゃ!どっきりの人じゃ!」
突然の状況にまだ整理のつかないヒナオとヒナコに赤ヘルがいう。
「お二人とも気づかれましたか?そうですどっきりですよ!怒らない怒らない!」
「そ、そうでおじゃったか・・・、どっきりなら仕方ないかのう?のうヒナコさん。」
「ヒナオさん、騙されてはダメじゃ!どっきりでも何でも2年ほったらかしの状況は同じじゃ!」
「はっ!確かに!危うくどっきりだからと納得するところじゃった。」
オーナーの愛人のこけし事務所所属で、芸能トラブル解決係をしている赤ヘル。
今回一部スタッフの不満を解消してほしいとのクラブこけしオーナーの依頼でやってきたのであった。
「やっぱ理論的に無理でよすね。ハイ大失敗!後の文句はオーナーさんに言ってね!私はこれにて!」
早々に走り去る赤ヘルに呆気にとられ、怒った気持ちも何だか収まってしまった2人。
「しかしヒナコさん、いろいろなこけし娘がいるもんじゃのう。」
「そうじゃのうヒナオさん・・・。」
つづく
赤ヘル
○渾名:赤ヘル(土湯系)
○工人:野地忠男
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赤色が力強いヘルメットタイプこけしです。
野地忠雄工人のかぶりもの系のこけしは小寸でも丁寧な作りの印象です。
何となくヘルメットけこし(ないし鉄兜)と呼んでいますが解釈はそれでよいのか。
かつて兵隊さんをモチーフにしたりした名残なんでしょうか、顔立ちも含め勇ましいです。