クラブこけしのオーナーと店のこけし娘タジ子(59、85話)が東京は谷中をぶらぶらと散歩をしていた。
「下町の雰囲気って落ち着きますよねオーナー。」
「うむ、なんだかホッとするものだねぇタジ子ちゃん。」
そうこうしていると二人の前に巨木が見えてきた。
「オーナー見て!すごい大きな木。木陰の雰囲気もなんだか素敵!」
「ほほう!隣はレトロなパン屋さんかな。良いムードの一画ではないかね。」
「こういう大きな木を見てると私もお店で頑張らなきゃって思うわ。
一ヶ所でじっと踏ん張って、真摯な信念みたいなものを感じるわ。ねえオーナー?」
側の掲示板にたたずんでいるオーナーに問いかけるタジ子。見るとオーナーはガタガタと震えている。
「タ・・・タジ子ちゃん!!これを見たまえ!」
「どうしたんですか一体・・・えっとなになに?『みかどパン初代店主が・・・・・』えええっ!?」
「元は植木鉢だったのだよ。ここまで東京に適応力がある木とは、一体どこが『ヒマラヤ』なのかね・・・。」
「流石に信念を通しすぎている気が・・・恐るべしヒマラヤ杉、パン屋が傾かんばかりよ。」
「きっと窮屈な鉢を割り地面に根をはっていったのであろう。くわばらくわばら。」
「オーナー!!そう言えば店の庭のガジュマルの鉢植えも最近根が地面に繋がってますよね!」
「!!マズいぞタジ子ちゃん。この温暖化の事、店がガジュマルに呑まれてしまう!」
最初の気分はどこへやら、ソワソワとした気持ちに包まれる二人であった。
「下町の雰囲気って落ち着きますよねオーナー。」
「うむ、なんだかホッとするものだねぇタジ子ちゃん。」
そうこうしていると二人の前に巨木が見えてきた。
「オーナー見て!すごい大きな木。木陰の雰囲気もなんだか素敵!」
「ほほう!隣はレトロなパン屋さんかな。良いムードの一画ではないかね。」
「こういう大きな木を見てると私もお店で頑張らなきゃって思うわ。
一ヶ所でじっと踏ん張って、真摯な信念みたいなものを感じるわ。ねえオーナー?」
側の掲示板にたたずんでいるオーナーに問いかけるタジ子。見るとオーナーはガタガタと震えている。
「タ・・・タジ子ちゃん!!これを見たまえ!」
「どうしたんですか一体・・・えっとなになに?『みかどパン初代店主が・・・・・』えええっ!?」
「元は植木鉢だったのだよ。ここまで東京に適応力がある木とは、一体どこが『ヒマラヤ』なのかね・・・。」
「流石に信念を通しすぎている気が・・・恐るべしヒマラヤ杉、パン屋が傾かんばかりよ。」
「きっと窮屈な鉢を割り地面に根をはっていったのであろう。くわばらくわばら。」
「オーナー!!そう言えば店の庭のガジュマルの鉢植えも最近根が地面に繋がってますよね!」
「!!マズいぞタジ子ちゃん。この温暖化の事、店がガジュマルに呑まれてしまう!」
最初の気分はどこへやら、ソワソワとした気持ちに包まれる二人であった。
つづく
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嘗ての植木鉢が90年程で今や区の保護樹林に。
驚きと同時に一抹の恐怖を覚えてしまいました。
谷中の密か(でもないか)な名所でございます。
下町の雰囲気はこけしによくお似合いでした。
嘗ての植木鉢が90年程で今や区の保護樹林に。
驚きと同時に一抹の恐怖を覚えてしまいました。
谷中の密か(でもないか)な名所でございます。
下町の雰囲気はこけしによくお似合いでした。
コメント
コメント一覧 (2)
お話変わります。私は数年前、谷中の某絵葉書屋の店先で「菊地啓氏の作った小原直治型こけし」を見ました。毛筋の描き方や胴の模様で何となくそれと分かりはしますが「原」を見た事がなければ「何となく風変わりなこけし」としか感じられない位、「原」とは似ていない子でした。
菊地啓工人・小原直治型・・・きっと私には気づけない・・・。遠刈田こけしには本当に疎いので、現地で強化したいと常々思っております。そのためにも早く温泉に良い季節になってほしいものです。今は日々暑くてかないませんね(;´д`)
先日とある医院の待合室で秋保こけし(菅原敏)を見つけ、立派な板海苔(鬢のことです)をつけてがんばっておるな!と微笑ましく眺めておりました。時折ある街中でのこけしとの出会い気持ちがほっこりしますね。