丸頭のこけし娘がクラブこけしに血相を変えて乗り込んできた。
「敦子ー!敦子いるの?分かってるのよ!」
「あっ!源子姉ちゃん!ヤバっす!」最近店に入店した“敦子(110話)”が青ざめる。
「『ヤバっす』じゃないわよ全く!この不良娘!」そう言い敦子を捕まえると、源子はゲンコツを据えた。
「くぅっ!イタタタ・・・。相変わらず姉ちゃんの『源子ゲンコツ』は染みるっす・・・。」
「どういうことなのよ、こんな水商売のお店にいるなんて!不良になっちゃったの?!どうなの?」
どうやら敦子の姉“源子”は妹を思うあまり、これまで過保護に接してきたらしい。
敦子はナオシ(2571話他)から誘われ喜んで店に来た事を、その場に現れたナオシと共に説明した。
源子と敦子
「またナオシなの?まったく。ナオシもどういうつもりよ!妹が不良になっちゃうじゃない!」
「いい加減妹離れしなさいよ源子。敦子も一人前よ。良い社会勉強よ。」
「敦子はまだ半人前です!そもそも何でナオシなんかそんなに尊敬しているのよ!」
「う・・・そ、それは・・・。」敦子がナオシを尊敬する理由を語り出した。
敦子がかつて仙台のパルコに遊びに行った折、洋物の人形達に絡まれてしまい、
その窮地を救ってくれたのが、たまたま遊びに来ていたナオシだったらしい。
「あの時のナオシ姉さんが言い放った
『パルコは私の物よ!』。シビれたっす。
あの気迫で洋物達は皆逃げて行ったっす。あの時私はナオシ姉さんについてくと決めたっす!」
「それは敦子と関係ないじゃない!単なるナオシのパルコ愛じゃない!」
「失礼ね源子!私だって仲間が困っていれば手助けくらいするわよ!」
源子、敦子、ナオシで喧々諤々の言い合いが続き、とうとう源子が言い出した。
「じゃあ、私もここにいるわ!敦子が不良にならないように見張るからね!敦子!分かった?」
「ね、姉ちゃん・・・でも、ここ今採用が色々難しいのよ。そんな上手くは・・・。」
と思われたものの、『源子ゲンコツ』が気に入られ、店のおふざけ組の抑止力となる事を期待され、
もっふんママのOKも出て、すんなり源子の採用が決まったのであった。
「せっかく子分が出来たと思ったのに、またやりづらくなったわ。」と愚痴をこぼすナオシであった。
つづく
源子
○渾名:源子(蔵王高湯系)
○工人:斎藤源吉
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西荻窪にて、値段もお手頃2千円!いつ頃のものでしょうね?
私がほしいと思っていた理想にとても近いものでした。
頭の丸い源吉こけしですが、その中でもとにかく丸い、
球に近いものにいつか出合えればと思っていたものです。
こめかみのピロピロ2本赤が可愛らしいです。
探そうとすると中々見つかりませんが、ふとした時に突然出くわす、
こけしでも何でもそんなものですね。