クラブこけしの京都旅行の少し前のこと。
オーナーの愛人が経営するモデル事務所(こけしの)から、“でこぱっち(63話)”が店を訪ねて来ていた。
“でこぱっち”とはオーナー命名のあだ名であるが、やはりどうにも気に入らないらしく、
変えてもらおうとオーナーに詰め寄って来たのである。
「オーナー!ホントお願いです。もっと素敵なあだ名を私につけてください!」
「まあまあ、そんなことよりでこぱっちちゃん、京都旅行一緒に行くかい?」
「そんな、話をそらなさいで・・・えっ京都?!行きたい!!」
そんな流れで京都旅行に参加した彼女、訪れたのは茅葺屋根の民家集落が残る美山町であった。
美山1
でこぱっちは美山の風景にすこぶる感動し、うっとり夢心地で少しテンションもおかしくなっていた。
猫にマタタビ的に、美山の風景にはこけし娘の琴線に触れ、気分を高揚させる何かがあるらしい。
「すごいすごい!日本の原風景だわ!!山、茅葺屋根、桃の花!ため息が出ちゃうわぁ!」
「でこぱっちちゃんがこんなに喜んでくれるとは、連れて来た甲斐もあるのだよ。」
「オーナーありがとうございます!ルララ~♪げ~んふ~うけ~い♪ウフフフ アハハ」
「よし!でこぱっちちゃん、写真を撮ってあげよう!」
「ルーラララ~♪オーナー、でこぱっちをぱっちり撮ってね、なんちゃって!アハハハ♪」
美山2
こんな感じに、オーナーに“でこぱっち”と何度も呼ばれ、美山での夢心地でおかしなテンションの中、
催眠術にかかったように自分のあだ名に馴染んでいくでこぱっちであった。
東京に戻り、正気にも戻った彼女は、以前ほどあだ名に、拒絶感が無くなっている自分に気づき、
釈然としないながらも、オーナー恐るべしと思うのであった。
つづく
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こけしの素朴さは農村的風景にやはり良く似合うものですね。
でこぱっちのハッスルはそのまま私の興奮度合いです。
今回ほぼ都を見ずに京都の辺境を観光してましたが大変楽しかったです。
というわけで京都編はここまででございます。