クラブこけしの大福(本名シン子(100話))は、鎌倉のとある海岸で海を眺めていた。
顔立ちのもっちり感が大福っぽいという事で、大福と呼ばれるようになった彼女は、
実はこの海岸近所のお店出身で、久しぶりの里帰りで
海を眺め満喫していた。
大福
「あー、やっぱり湘南の風は心地よいわぁ。サーファーもあんなにプカプカ浮かんで・・・ん!?」
突如、彼女の横をサーフボードを持った若者が疾走していく。
フィンの無い、そして気持ちずんぐりとした見慣れぬボードの形に大福は違和感を覚える。
「何かしらあのボード。サーフボードじゃないのかしら・・・ええっ!!」
若者は走る勢いのまま波打ち際にボードを放り出すと、その上に飛び乗り、
まるで砂浜をすべる様に移動し始めたのである。
大福2
1,2秒の出来事であったが、大福は度肝を抜かれていた。
「何!?何なの今の遊びは?見たこと無いわ!ちょっとオーナー、ちょっと!」
連れ立って海に来ていたクラブこけしのオーナーは、大福もちを買って戻ってきた所であった。
「いやー、大福ちゃんを見てると、どうも食べたくなってねぇ。ん、どうしたの。」
「オーナー、ちょっと見ててみなさいよあれ。謎のマリンスポーツよ。」
若者は先と同じ動きをし、波打ち際をツルツルーとすべっていく。
「!!大福ちゃん、何かねあの遊びは!?」
「私も初めて見たわよ。オーナー、ちょっとそのご自慢のスマートフォンで調べてよ。」
オーナーがスマホを自慢げに取り出し検索を始める姿は、今更感もあり痛々しい。
調べた結果、それは『スキムボード』というマリンスポーツであることが分かった。
「はー、世の中どんどん進んでいるのね。私も頑張らなくちゃ。ありがとうオーナー。」
「うむ、この私のスマートフォンで検索したいことがあったらどんどん言いなさい!」
スマホで検索癖のついたオーナーは何だかうざったくなったと最近の店の娘達の噂であった。
つづく
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マリンスポーツに縁の無いもので、この『スキムボード』とやらに驚いたものでした。
砂浜から助走をつける労力に、その後の滑りの快感は見合うものなのか?
やっていないので何とも言えませんが。
スマホ検索というのはどうも脳を甘やかしている気がして、
物忘れなどについては極力自力で思い出すようにしていますが、
しかし色々便利なんですよね。
こけし関連の事もすぐ頼ってしまうので、なかなか身につきません。