クラブこけしの外で何やら言合いをしながら店に近づいてくる声が聞こえる。
「兵子(ひょうこ)姉ちゃん!『クラブこけし物語』は前回で一区切りついてるんだってば!」
「うるさいわねゆう子(55話)。私は聞いてないわよ!騙されたわ!!」
そして店の扉が開き二人のこけし娘がなだれ込んできた。
兵子とママ
「ちょっと!オーナーさんいらっしゃる?ママでもいいわ、もっふんママは?」
「兵子姉ちゃん、落ち着いてってば!」
騒ぎを聞いて奥からもっふんママが出てきた。
「もふっ!あなたは兵子さん!確かオーナーのお兄さんのところにいたもふね。」
「いたわよ!そしてクラブこけしにだって来るわよ!前のタイトル(ちょっと一息4)見てびっくりよ!
『物語に登場しないであろう』って。登場するわよ!!すべり込みセーフよ!!」
「微妙にアウトよ姉ちゃん!お騒がせしてすいませんママ。」
「ゆう子!私決めた。クラブこけしで働くわ!『色町のホステス』と呼ばれた私よ。ここの方が合ってるわ!」
「もふぅ・・・でもお兄様が・・・」困り果てたもっふんママである。
その時、兵子に声を掛ける者がいた。
「兵子さん、お久しぶりね。お元気そうで何よりよ。」
声の主を見る兵子。「あ、あなたはサク子(98話)さん!?こちらにいらっしゃっていたの?」
「ええ、少し前から。兵子さん、ママやゆう子ちゃんをあまり困らせては駄目よ。」
「で、でもサクコさん、私の現役っぷりを見てくださいな!」
そう言い、着物から色っぽい肩をのぞかせる兵子である。
「兵子さん!!望むより望まれるべし!べし!べし!それがこけしよ!!分かるわね。」
「・・・くっ・・意味深で何だか深い!!さすがはサク子さん。何やら納得だわ。」
その後は皆で歓談した後、兵子はゆう子と共に店を出、
そして清清しくオーナーの兄の元に帰っていくのであった。
「サク子さん、助かったもふよう。それにしても深いお言葉だったもふよ。」
「そう?あれ、適当よ。ああいう意味深な台詞は得意なのよ。ウフフ」
少女の様に笑うサク子に、(やっぱり只者でないもふっ!)と思うもっふんママであった。
つづく
兵子
○渾名:兵子(木地山系)
○工人:高橋兵次郎
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前回一区切りと言っておきながら、付け足しでございました。
もう“つづく”にしておきます。いずれ付け足していきますので!
兵次郎工人のこけし、着物のずるりとした肩口が色っぽいです。
あくまで成熟した女性をこけしに追及したと言われる高橋兵次郎工人、
確かに他のこけしと一線を画したたたずまいに見えてきます。
某氏の言う
『色町のホステス』、こけし好きのその妄想力に、
同じく妄想する者として感銘を受けます。