クラブこけしの“ゆさこ”は最近何やら元気の無い様子であった。
そんな噂を耳にしたゆさこの姉、“ゆさ姉”(67話ほか)が来店し、もっふんママとこっそり話し込んでいた。
「もっふんママ、最近ゆさこが生意気にも元気がないと耳にしたのですが。」
「もふぅ、そうなのよう。聞いても大丈夫だって言うもふよ。」
「ゆさこにも色々思う所があるのかもしれません。2年前、思いつきで立ち上げた『クラブこけし』。
早々にズッコケそうなところをママに助けていただき(3話)、そして今やこの大所帯。
だらけていても回転するお店に、自らの存在意義を見失いつつあるとか・・・。」
「そんな事ないもふよ!ゆさこちゃんも大切な一員もふ!でも、こういうのは励ます言葉に悩むもふよ。」
「ママ、私に良い考えがありますので、しばしお時間を。」
その日はニンマリしながらゆさ姉は帰っていった。
ピヨピヨとゆさこ
後日、一人のこけし娘が店にやってきた。ゆさこに似た雰囲気の鬢をタプンとまとめた娘である。
「ゆさこちゃーん!クラブこけしに欠かせないゆさこちゃーん、いる?ピヨピヨだよ!!」
「!!ピヨちゃん!?どうしたの?なぜここに?!」郷里の大親友との思わぬ再会に驚くゆさこ。
「ゆさこちゃんのおかげで私もお店に採用されたよ!この店はゆさこちゃんあってだよ!存在感あるよ!」
ピヨピヨはゆさ姉から聞いた事情を酌んで言葉を選んだようだが、その唐突感が不自然である。
「な、何?さっきからそのヨイショ。まあいいや。じゃあまた一緒にクウネル(マガジンハウス)が読めるね!」
「そうよ!今回の特集は『料理上手の台所』だよ。私達に全く関係ないけど楽しみだね!!」
「よし、ピヨちゃん。早速一緒に買いに行こう!一緒に癒されよう!」
ゆさことピヨピヨは本当に嬉しそうに本屋へと走っていった。
やりとりを遠くで見ていたもっふんママとゆさ姉が話す。
「よかったもふよ、ゆさこちゃん元気になったみたいで。」
「ええ、何ブルーだったか分かりませんが元気になりますよ。今まで頑張った分、
私からのご褒美です。
ゆさこ、これからももっと頑張るのよ!」
優しく微笑むゆさ姉であったが、果たしてゆさこは何かブルーな気持だったのか。
実は単にオーナーの芋ケンピを盗み食い、それに当たり体調を崩していただけである。
よく見れば一緒に盗み食いをした筒(14話52話ほか)も、このところずっと青い顔をしている。
二人とも後ろめたくて理由を言えなかっただけである。
そんなこんなで、クラブこけしはこれからも、より騒がしくなっていきそうな気配なのである。
(一息つきつつ)つづく
ピヨピヨ
○渾名:ピヨピヨ(鳴子系)
○工人:遊佐妙子
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遊佐妙子工人の本人型でございます。
雑誌『こけし時代(鳴子編)』をにぎりしめ鳴子を再訪し、工人にお願いしたものです。
鬢がまとまっており、なんとなくヒヨコのようなピヨピヨっとした可愛らしさを感じております。
その際、“ゆさ姉”も同行し、「お義父さま(才吉)のこけしも最高です!」的なお話もしたものです。
というわけで、いま所有しているこけしを、ほぼほぼ紹介しつくしてしまいました!
ファーストこけし“ゆさこ”に始まり、同工人の“ピヨピヨ”で一区切りでございます。
次回以降、新展開も交えつつ『クラブこけし物語』・・・続きますよ!