クラブこけしの“ギイチ”(37話55話ほか)というこけし娘は、その凛とした和風な見た目により、
日舞やお琴、茶道といった和の芸事に精通していそうなオーラが出ているのだが、
本人さほどそれらが得意という事も無く、日々そのイメージとのギャップに悩んでいる。
そんなギイチのもとに、オーナーの愛人経営のモデル事務所より“ノブ子”が遊びにやって来た。
ギイチと同じく和風な面立ちであるが、体も大きく闊達な性格の持ち主であった。
ギイチは相変わらずの悩みをノブ子と話し合っていた。
ノブ子とギイチ
「私、ほんと何も出来ないのに、みんな買いかぶってくれるのが心苦しくて。」
「別によろしいじゃないの。悪く思われるよりよほど得ですことよ。」
「ノブ子ちゃんは相変わらずねぇ。羨ましいわ。私と同じような経験も多いだろうに。」
そんな二人を見かけたクラブこけしのオーナーが近づいてきた。
「お!日本美人がお二人ちゃんで何を話しておるのかな?」話しかけ方がなんともオヤジくさい。
「まあ、初めましてオーナー様。ノブ子と申します。ギイチちゃんとは友達ですのよ。」
「ほほう!君は体も大きいし、さぞ君の日舞もダイナミックで栄えるであろうのう!」
オーナーはノブ子の和風な見た目と物腰に、そういった事が得意であるに違いないと決めてかかっている。
「では、挨拶代わりに一舞、ご披露いたしましょうか?なんて、そんなお安くありませんことよオーナー様!」
「会っていきなりだしのう。」また今度よろしくねと言いオーナーは去っていった。
「ノブ子ちゃん、日舞なんて実際出来たっけ?」ギイチが聞く。
「出来ないわよぅ。でもオジサンって、私みたいなのにああ言われると何故か喜ぶものなのよ!」
「はぁ・・・。でもよくあんなに自信満々にスルスル言えるものね。」
「え?だって舞えるとは言ってないもの。本当にそうなったら出来ないと断るまでよ。
あんまりそんな事で悩んでいると体に毒よギイチちゃん。」
その後も二人は楽しく会話をし、ノブ子の闊達なアドバイスに癒されるギイチであった。
しかしながら、一方ではギイチは皆が持つイメージにいつかは答えられたらカッコいいなと
性格上思っており、日々コツコツと努力はしているという。
つづく
ノブ子
○渾名:ノブ子(鳴子系)
○工人:柿沢是伸
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ちょっとつり目で、ギイチよりもハキハキしていそうな表情です。
同じ高橋勘治型なのでしょうが、性格分けできてしまうのでこけしは面白いです。
(思い込みですが)
実は結構初期に買っていたもので、最近召集をかけて久しぶりに眺めているのですが、
やはり胴の菊模様がパワフルだなあと改めて思っております。