(前回に続き)その歌唱力でクラブこけしへの採用を願う“のど自慢”の懇願は続いていた。
「オーナーさん、どうかもう一曲、何卒チャンスを。お次はもっとピリッとしたのをお聞かせいたします。」
のど自慢の歌の上手さは理解したものの、決め手に欠き悩むオーナーともっふんママ。
するとそこに、店の扉を開け、新たに一人のこけし娘が飛び込んできた。
「のど自慢ちゃん!一人で挑戦するなんて無謀だって言ったじゃない!」
「コ・・・コーラスちゃん!?後を付けて来たの?」
話によると、“コーラス”と呼ばれたそのこけし娘はのど自慢と時折コンビを組んでおり、
この度ののど自慢の挑戦を陰ながら応援しつつも、不安にも思っていたらしい。
のど自慢と女の友情で結ばれている彼女は、自らもオーナーにお願いを始めた。
「オーナーさん、のど自慢ちゃんの実力はこんなものではないのです!
次は私もサポートしますので、もう一度コブクロの『』を歌わせてください!」
願いは聞き入れられ、再びスタンバイをするのど自慢とコーラス。
コーラスのその体の曲がり具合からは‘デュエットするぞ!’という気合がにじみ出ている。
コーラスとのど自慢
そうして2人が歌い上げた『蕾』、それはすばらしいハモりで、ソロの時とは別次元の印象を皆に与えた。
何よりも、コーラスの体を曲げてのノリノリ感が絵的にもとても良いスパイスになっていた。
「ど・・・どうでございましたかオーナーさん・・・?」
うつむいてフルフルとしていたオーナーは、歌の感動のあまり涙目で例によって叫んだ。
「合格!!そして二人そろって採用!!いいよねミナオちゃん。」
「はいオーナー!本職の歌を聞いた気持ちです。確かにカラオケとは違うかも。」ミナオも納得であった。
「本当ですかオーナーさん!コーラスちゃんも一緒でいいんですか!やったよコーラスちゃん!!」
「びっくりよのど自慢ちゃん!じゃあお祝いにいつものあれ、いっちゃう?“ワッシュワリワリ”!」
一同首をかしげる(“ワッシュワリワリ”??)
「それでは右や左の旦那様、私のど自慢とコーラスによる、『シュガー ベイビー ラブ』お聞き下さい!」
「だから旦那一人だけもふよ。」というママの突っ込みはスルーされ、再び2人の歌に皆が聞き惚れた。
主旋律を歌うのど自慢と、コーラスによる“ワッシュワリワリ”と聞こえるバックコーラスにより、
皆が(ああ、確かに“ワッシュワリワリ”だわ)とこれまた納得であった。
体を左右に揺らすノリノリのコーラスに合わせ、もっふんママもいつしか、
「モッフワリワリ~♪」と変なコーラスをノリノリで入れ始めるのであった。
つづく
コーラス
○渾名:コーラス(木地山系)
○工人:阿部平四郎
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阿部平四郎工人の小椋泰一郎型です。
言い切ってみたものの、木地山こけしにはあまり詳しくなく、
米吉型?徳一型?とオロオロした結果の確定です
(_ _|||)。
経年変化で胴が反ってしまっているのですが、
のど自慢と並べるとなんともノリノリの個性を発揮しているのです。
ルベッツの『シュガーベイビーラブ』、夏を感じる一曲のひとつですが、
“のど自慢”と“コーラス”が歌ってるところをどうか想像してあげてください。