クラブこけしのオーナーの愛人は、近くでこけしのモデル事務所を経営している。
その日は、そこに所属のこけし娘“おさげ”が、クラブこけしの友人“しょう子”(56話)を訪ねて来ていた。
おさげはその名の通り、顔の両サイドに髪を下げた、読書を好む理知的な娘である。
彼女は親友のしょう子に悩みがあるとのことで、相談に乗ろうとクラブこけしに来ていたのである。
「どうしたのよしょう子、悩みって。」
「うん、私、いずれはママ的な仕事が出来るように、チーママや店長に色々教わっているんだけど、
なかなか上手くいかなくて。人の上に立つのって気が引けて大変なのよ。
おさげちゃん、色々本読んでるし、何か良いアドバイスないかしらと思って・・・。」
「それなら私、最近良い本を読んだわ!『女性上司の立ち居振る舞い』っていう啓発本。
そうね・・・、とにかく女性が相手を叱るときなんかは怒っちゃ駄目よ。優しく諭すことが大事なのよ!」
そんな感じにおさげのアドバイスは続くが、概ね内容は女性らしさを持って根気強く、
そして優しく相手に接するようにしなさいというものであった。
おさげとしょう子
二人がそんな話をしている中、常に店内を騒がしく走り回っていたのは、
“うんきち1号”と“うんきち2号”であった(82話83話)。
「こら待て1号!私のプリン勝手に食べたでしょ!」
「だってだって、2号とか名前書いてなかったじゃん!」
二人は騒がしく追いかけっこをし、遠くでは二人のしつけに疲れたゆさこが灰の様にぐったりしている。
1号2号は話中のしょう子とおさげの席を挟み、互いに右へ左へとけん制をし始めた。
「もう逃げられないわよ1号!」「いい加減にしなさいよ2号!そもそも証拠はあるの?」
ゴツッ!
ゴツッ!
うんきち1号2号に、おさげからゲンコツが降ってきた。
「うっさいわよあんた達!!今しょう子と大事な話中なの!鳴子娘ならもっと慎ましくなさい!!」
涙目の1号2号は「鬼!鬼!」と言いながら走り去って行った。
「お・・・おさげちゃん、女性は優しく諭すんじゃなかったの・・・?」
「ハッ!!そうね・・・確かにそう言ったけど・・・無理だわ!時と場合によるわ!」
その後も二人の相談は続き、おさげは本から得た知識を色々しょう子に教えてくれたが、
そんなおさげの知識よりも、彼女の性格や友人としての気持ちに癒されるしょう子であった。
つづく
おさげ
○渾名:おさげ(鳴子系)
○工人:
柿沢是隆
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この“おさげ”という名は私が命名したものではなく、
柿沢是隆工人自らそう言っていたものです。
工人は色々新たなデザインを試みているようで、このほかに
ちょっと目の吊りあがった強気そうなのには“おてんば”なんて名も付けていました。
クラブこけし的ワールドを既に持っていらっしゃって感動したものです。
直に鳴子のお店に行ったのですが、自家製の野菜やらおつけものを食べ、
近くの景色が良いという池にも車でご案内いただき、大変に有難かったです。