ある日のこと、赤んぼ先生(43話、45話)が書生のツタフミ(45話)に「所用で外出するでち」と言い、
そそくさと出ていくのだが、何となくそれをいぶかしく思い、先生の後を付けるツタフミであった。
(先生何だか変だわ・・・今日はクラブこけしで講義の日でも無いのに・・・。)
そこでツタフミの見たものは、喫茶店のボックス席で待っていた歳も良い頃合いの美しい女性こけしと、
そこに同席し、いい感じのムードを出し始める赤んぼ先生の姿であった。
気付かれぬ様近くの席に陣取り聞き耳を立てるツタフミに、ポロポロと衝撃的な会話が聞こえてくる。
「元気そうね赤んぼ君。」
「キヨ子さんも昔と変わらないでち。」
「もう一度やり直すことはできないかしら。」
「もう昔の私とは違うでち。同じ気持ちにはもう・・・。」
ツタフミはガクガクしている。
(先生が男と女の会話をしている!誰なのあの美魔女は?良い歳して先生とヨリを戻そうっていうの?
でも先生も「でち」とか言ってるけど一応大人の男・・・、ああ、どうしよう・・・。)
複雑な心境のツタフミをよそに、沈黙を挟みつつ二人の会話が続いていく。
「キヨ子さん、もう許してくれないでちか・・・。」
「どうして?昔のあなたはもっと情熱的だったわ。あの頃は夜も寝かせてくれない程・・・」
たまらずにツタフミが話に割って入ってくる。
「ちょっと待ったー!!何なのよエロおばさん!ちょっと綺麗だからって先生をたぶらかさないで!!」
「ツタフミ?!何でここにいるでち。そして何か勘違いしてないでちか?キヨ子先生に失礼ではないか。」
「キヨ子先生?」キョトンとするツタフミ。
「そうでち。キヨ子さんは私の恩師でち。今は最近書いた論文のダメ出しを受けていたとこでち。」
キヨ子もニッコリしてツタフミに言う。
「やっぱりあなたがツタフミちゃんね。こんにちは。赤んぼ君、昔は徹夜で議論を持ちかけた程なのに、
最近は体力が無くて。もう歳なのかしらね。」
「キヨ子先生、もう昔の元気はないでちよ。この論文もこの辺でOKにしてくれないでちか?」
そんな二人のやりとりを聞きながら真っ赤になっていくツタフミ。
「ス・・・ス・・・スイマセンでしたーー!穴、穴はどこーー!!」もの凄い速さで走り去るツタフミであった。
「キヨ子さん、何か面白いでちか?」微笑むキヨ子を見て赤んぼ先生が訪ねる。
「フフフ、可愛らしい書生さんね。からかいすぎちゃったかしら?」
未だに?マークの赤んぼ先生と違い、キヨ子は色々状況を把握していた様であり、
魔女と言う意味ではツタフミもあながち間違っていなかったようである。
後日ツタフミは後を付けた罰として多くの課題を先生に出され、キツくお灸を据えられたというが、
時折キヨ子にも勉強を教わりに行くなどするようになったという。
そそくさと出ていくのだが、何となくそれをいぶかしく思い、先生の後を付けるツタフミであった。
(先生何だか変だわ・・・今日はクラブこけしで講義の日でも無いのに・・・。)
そこでツタフミの見たものは、喫茶店のボックス席で待っていた歳も良い頃合いの美しい女性こけしと、
そこに同席し、いい感じのムードを出し始める赤んぼ先生の姿であった。
気付かれぬ様近くの席に陣取り聞き耳を立てるツタフミに、ポロポロと衝撃的な会話が聞こえてくる。
「元気そうね赤んぼ君。」
「キヨ子さんも昔と変わらないでち。」
「もう一度やり直すことはできないかしら。」
「もう昔の私とは違うでち。同じ気持ちにはもう・・・。」
ツタフミはガクガクしている。
(先生が男と女の会話をしている!誰なのあの美魔女は?良い歳して先生とヨリを戻そうっていうの?
でも先生も「でち」とか言ってるけど一応大人の男・・・、ああ、どうしよう・・・。)
複雑な心境のツタフミをよそに、沈黙を挟みつつ二人の会話が続いていく。
「キヨ子さん、もう許してくれないでちか・・・。」
「どうして?昔のあなたはもっと情熱的だったわ。あの頃は夜も寝かせてくれない程・・・」
たまらずにツタフミが話に割って入ってくる。
「ちょっと待ったー!!何なのよエロおばさん!ちょっと綺麗だからって先生をたぶらかさないで!!」
「ツタフミ?!何でここにいるでち。そして何か勘違いしてないでちか?キヨ子先生に失礼ではないか。」
「キヨ子先生?」キョトンとするツタフミ。
「そうでち。キヨ子さんは私の恩師でち。今は最近書いた論文のダメ出しを受けていたとこでち。」
キヨ子もニッコリしてツタフミに言う。
「やっぱりあなたがツタフミちゃんね。こんにちは。赤んぼ君、昔は徹夜で議論を持ちかけた程なのに、
最近は体力が無くて。もう歳なのかしらね。」
「キヨ子先生、もう昔の元気はないでちよ。この論文もこの辺でOKにしてくれないでちか?」
そんな二人のやりとりを聞きながら真っ赤になっていくツタフミ。
「ス・・・ス・・・スイマセンでしたーー!穴、穴はどこーー!!」もの凄い速さで走り去るツタフミであった。
「キヨ子さん、何か面白いでちか?」微笑むキヨ子を見て赤んぼ先生が訪ねる。
「フフフ、可愛らしい書生さんね。からかいすぎちゃったかしら?」
未だに?マークの赤んぼ先生と違い、キヨ子は色々状況を把握していた様であり、
魔女と言う意味ではツタフミもあながち間違っていなかったようである。
後日ツタフミは後を付けた罰として多くの課題を先生に出され、キツくお灸を据えられたというが、
時折キヨ子にも勉強を教わりに行くなどするようになったという。
コメント
コメント一覧 (2)
↑オーナー様、既にお持ちであられましたら御免なさい(汗)
さて、胞吉の「原」、私が僅か乍ら見ましたもの達は何れも「老残枯境」という雰囲気だったように思います。妻や跡取り息子や娘に早世され、老いて足が不自由になった身で生活の為に木地を挽き続けたという胞吉、其処には当然「こけしを売らんかなの計算」など入る余地は無かったのでしょう。キヨ子の「父ちゃん」の「枯れた味」は其処まで悲壮なものではなく、「歳を重ねた故の良さ」なのではないでしょうか。
その表情の根底に何となく哀愁を感じてしまいます。
こけし好きになる契機として、もっふんママを見て衝撃を受ける一方、
この胞吉型のこけしを見て目が離せなく思ったのも一つ大きなところです。
それは『kokeshi book』のピカピカの今の胞吉型でしたが、
このところは『こけしの美』で見る「原」の味わいが何だかたまりません。
胞吉の人生や、胞吉こけしの再発見など、そのドラマを勝手に想像するにつけ、
またしみじみと胞吉型のこけしを眺めてしまいます。
多くのこけ巨人達が大絶賛する胞吉こけし、
『こけしの美』で某氏は「これこそ天国が幼女にあたえた人形でないか」とまで
絶賛していますが、幼女をさしおき私がこんな勝手な妄想遊びをしていて
ホントすいませんってとこです。
『こけし悠々』もっておりません(/ω\)が、内容もご紹介いただいて、
とても興味が出てきました。今後チェックします。