クラブこけしのバイトリーダー“ミナオ”(6話44話ほか)は、スタッフの勤務シフト作成を一手に担っている、
所謂出来る娘であるが、スタッフ数増加と連日の猛暑で疲労が蓄積し、ダウンする事態となってしまった。
ミナオは当面の穴埋めのため、朦朧とする意識の中、一本のメールを打っていたのである。
『ミズキちゃん・・・ヘルプ!!
()´д`()』
そして、クラブこけしにやってきたのはミナオに劣らず出来るこけし娘の“ミヅキ”であった。
前バイトの社内ロールプレイング大会ではミナオとタッグを組み、優勝したというつわものである。
ミズキとミナオ
一通り、クラブこけしのママ、もっふんママに事情を説明したミヅキであった。
「というわけで、当面ミナオちゃんの代行をしますので、よろしくお願いします。」
「もふーぅ、助かるけど、うちスタッフも多いし、いきなり大丈夫かしら。」
「任せて下さい!とりあえず、スタッフの履歴書と、各種マニュアル等を貸して下さい。」
もっふんママからそれらを渡されると、ミズキが一息ついてから叫んだ。
「ゴホン・・・では・・・。センターイン!!」
その掛け声と共に、ただでさえ顔の中心に寄り気味の目鼻口をさらに寄せて、
ものすごい集中力でそれら資料を暗記していくのであった。
「大体わかりました。では早速シフトを組んでみますね!」
そう言うと、ミズキはスタッフから不平不満の出ない見事なシフト表をくみ上げた。
「凄い能力もふっ!掛け声はなんだかハレンチだけど、あなた、うちで採用もふよ!」
そんなわけで、ミナオの代行のはずが本採用されるミズキであった。

数日後、店を歩いていたミズキは、厨房で皿洗いをする“行き倒れ”(35話)を目にした。
彼の相変わらずの虚弱感は見ていて痛々しいほどである。
「誰あの子?履歴書にはなかったわ。記憶ミスかしら。センターイン!!・・・やっぱり思い出せない・・。
しまった!私のミスでシフト漏れして、あの子に無理な労働を強いてしまったわ!」
ミズキはがっくりと膝をついて、うち震えていたが、それに気付いた行き倒れが声をかけてきた。
「あの・・・僕は居候なので、社員じゃないです。程々にやってますので、ご心配なく・・・。」
「そうだったの!?ふー、焦ったわ。でも一応あなたも記憶しておくわ。センターイン!!」
諸々の能力は高いが、その完璧主義によって、逆にそれにより脆さを露呈するミズキであった。
彼女の「センターイン!!」の掛け声には、なんとなく頬を赤らめてしまうスタッフもいるが、
それを力強く叫ぶ彼女を皆温かく受け入れている。
後日、ミナオも復帰し、ゴールデンコンビがクラブこけしで再結成されるのであった。
つづく
ミズキ
○渾名:ミズキ(弥治郎系)
○工人:横山水樹
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新山久治型のこけしの、顔周辺の余り具合と、
内に寄ったその表情は何ともとぼけていて可愛らしいです。
多く数で比較はしていませんが、横山水樹工人の作る表情やバランスは、
新山一族である久志工人や慶志工人よりも、
最も新山久治のものに近いように思えます。

紹介してきたこけし数増加により、右のサムネイルが小さくなりました。