クラブこけしでは、チーママ(第5話ほか)と店長(第21話)がミーティングを行っていた。
ナンバー2、3的立場の二人が連携することで、個性派ぞろいの店が無事運営できているのである。
「店長、最近お店の状況をどう見てる?スタッフも増えてきたけど。」
「そうですねチーママ、個性的な娘が多くて何というか・・・、オールラウンドな本格派が少ないというか・・・。」
「そうなのよねぇ。即戦力と言わないまでも、才色兼備なそういう娘、いないかしら。何なら育成するわよ。」
そんな所に偶然にも、もっふんママが新人のこけし娘を紹介しに現れた。
しょう子ともっふんママ
「チーママ、店長、紹介するもふ。こちら、しょう子ちゃん。どうもふ?かわいい娘でしょう?」
「あ・・あの、しょう子です。ママとは同郷の御縁で・・・
よろしくおねがいいたします。
その娘はもっふんママの同郷の娘には珍しく、シュッとした可愛らしさと、控え目ながら気品が漂っており、
そんなしょう子を紹介するもっふんママは、いたく上機嫌だった。
しょう子を見たチーママ、店長は(いた!)とピンと来るものがあったが、ひとまずママの様子を見ていた。
「もふーぅ、ほーんとこの娘ったら、私の若い頃にそっくりもふよ。私の肝煎りで指導しちゃおうかしら。」
「あ・・・ありがとうございます・・・」
「もっと自信持って喋らなきゃ。あなたも言葉に“もふ”を混ぜるといいもふ。元気でるもふよ。」
「え・・・じゃあ・・・わかりましもふ・・・。こんな感じですか?」
そんな遣り取りを見ていたチーママと店長は(貴重な原石がピンチだわ!)と思い、堪らず声をかけた。
「ママ、その娘の指導は私たちに任せて下さいな。ママはお店全体の事もあるし、大変でしょう。」
「そうですよ、ママ。新人教育なんて面倒事を、ママにはかけられませんわ。」
「もふーぅ、二人とも気を使ってもらって悪いわねぇ。じゃあ、当面お願するもふよ。
じゃあ、しょう子ちゃん、しっかり2人に学ぶのよ!」そうしてその場を後にするもっふんママであった。
もっふんママを見送ると、チーママと店長は大きく息をついた。
「ふーう、危うく変な色が付くところだったわね。」
「危なかったですね、チーママ。しょう子ちゃん、心配しないでね。私たちが丁寧に教えてあげるからね。」
「はい・・・!よろしくお願いします!」
もっふんママの奔放なペースに今まで不安を感じていたしょう子も、
件の“本格派”の原石が手に入ったチーママも店長も、共に何やらホッとするのであった。
皆もっふんママを尊敬はしているが、何人もいるには濃いキャラだとも思っており、また、
しょう子の憧れも、どちらかと言えばチーママタイプだったので、共にめでたしだったのである。
つづく
しょう子
○渾名:しょう子(蔵王高湯系)
○工人:岡崎昭一
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岡崎昭一工人の描くこけしの表情は、父、直志工人のものよりも、
やさしさと、少女らしいはじらいの様なものを感じます。
全体の頭と胴のバランスも、太すぎず細すぎずで、とても気に入っています。
個人的には能登屋系列のこけしが全体的に好きです。