モデル事務所(クラブこけしオーナー愛人が経営)に大量のせんべい「雪の宿」が送られてきたので、
クラブこけしにおすそ分けしようと、社長は手近にいたモデルのこけし娘“サバ子”に、そのお使いを頼んだ。
「急なお使いで悪いわね、サバ子ちゃん。」
「良いですよ社長。丁度いい運動になります。では、任せて下さい!」
「ありがとうね。サバ子ちゃんはいつもサバサバしていて気持ちいいわぁ。」
サバ子はそのスラッとした体で荷物を持ち、ステップも軽く颯爽と出ていくのであった。
クラブこけしでは、事前に連絡を受けていたもっふんママが、ウキウキと雪の宿の到着を待っていた。
程なくして、サバ子がやってきた。
「こんにちは~。お使いで来たサバ子です。雪の宿もってきましたよ!」
「もふぅ!待ってたわよう。せっかくだから、あなたもお茶飲んできなさいな。」
そんな流れで、ママとサバ子がお茶を飲みながら雑談をしていた。
サバ子のサバサバとした気質もあり会話は弾んでいるようであった。
「もう、もっふんママったら、食べすぎですよ。ほっぺがさらにもふもふになっちゃいますよ。」
「もっふぅ、アナタもサバサバという娘ねえ。そのサバサバ感を見込んで、
ちょっとあの娘になんかアドバイスしてほしいもふよ。」
そう言って、もっふんママは隅でぶつぶつ言っているゴヘイ(第33話)を示した。
サバ子とゴヘイ
ゴヘイ「あぁ、もう働く意味が見いだせないわ。働いて自己実現なんて幻想だわ・・・ぶつぶつ・・・」
サバ子がやってきて、ゴヘイに話しかける。
「じゃあ、仕事なんてやめちゃおうよ!旅行にでも行ってスッキリ
しようよ。」
ハッとサバ子を見てゴヘイが言う。「・・・そうかな。やめていいかな?」
「良いんじゃない?さっぱりだよきっと。また仕事したくなったらすればいいわ。」
「そうだね・・・でも、また仕事したくなるなんてあるかしら?そんな気力出るかしら?・・・無理だわきっと!」
「だったら、今のまま続けたら?どこだって似たようなものよ。」
「そうか・・・やっぱそうなるか・・・そうよねぇ、うーん・・・ぶつぶつ・・・」
もっふんママのところに戻ってきたサバ子にママが礼を言う。
「サバ子ちゃん、ありがとうもふ。これであの娘も多少は持ち直すわ。」
「どういたしまして!では、お茶どうもごちそうさまでした~」
そう言って再び足取り軽く帰っていくサバ子であった。
サバ子は
実際仕事なんてやめたらまた始めればいいと思っているサバサバした娘であった。
つづく
サバ子
○渾名:サバ子(土湯系)
○工人:高橋佳隆
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伝統こけしは東北で作られるものと思いきや、
修行後は上京されてこけしを挽いていたという高橋佳隆工人です。
こけしは、それらが作られる風土を反映していると思っているのですが、
ちょっと泥臭い渡辺系の鯖湖こけしに対し、高橋系の鯖湖こけしは
東京の空気を吸って、ちょっと洗練されたかしらと思ったりもします。
そんな目で見ると、サバサバとステップの軽いシティガールに見えなくもないです。