クラブこけしスタッフも増えたが、一部に教養、学力の低下をもっふんママは感じていた。
おしんの様に勉強をしたがっている娘(第41話)もいること等も踏まえ、スタッフの福利厚生として、
定期的に先生を招き講義を行い、その辺の強化を図ろうと思うのであった。
講師として思い当たった人物(こけし)に連絡をとったもっふんママであるが、
その者からのリクエストは、初回は生徒に南部出身のこけしを交えてほしいとのことであった。
理由はよくわからぬまま、モデル事務所にも声をかけ、いよいよ講義の初日を迎えるのであった。
講師としてやってきたのは、「赤んぼ先生」と呼ばれる、こけし界きっての知識人であった。
キリリとした知的な眼差しの一方、赤ん坊のような口調と赤い前掛をした彼の姿がツボにハマり
笑いをこらえているもっふんママであった。
「では・・・もっふぅ(笑)・・・先生、よろしくお願いいたします、もぷぅっ(笑)」
赤んぼ先生と学生
「うむ。みんな、よくぞ集まってくれたでち。南部のおしゃれ女学校の開校でち!」
おしん「先生、何で『南部の』なんですか?」
「先生は南部の心意気が好きだからでち。先生の出身は南部でち。」
キナキナ「『おしゃれ女学校』って、おしゃれについての講義なんですか?」
「響きが良いのでそう呼んでいるでち。講義では各ジャンルから幅広く教えるでち。」
ナオコ「わたし、南部のこけしじゃないけど、いいですか?」
「誰でもウェルカムでち!学校名はあくまで気分でち。しかし君のさっぱり感は好感あるでちよ。」
アサイ「女子力は上がりますか?」
「うむ、うなぎ昇りでち!ではみなさん、講義を始めるでちよ!南部の桜は石ば割って咲くんでち!!」
こうして、微妙なちぐはぐ感を醸しながら始まった『南部のおしゃれ女学校』であるが、
赤んぼ先生の池上彰ばりの講義は大変分かりやすく評判を呼び、
参加するこけし娘も回を重ねるごとに増えていった。
ある日、もっふんママが赤んぼ先生に月謝を支払おうとした時のことだった。
「毎回ごくろうさまもふふぅ(笑)。うちの娘達も大変よろこんでますわ。どうぞ月謝をお収め下さいもふ。」
「ママ、それは無用でちよ。南部の辛夷(コブシ)は、北さ向いても咲くのでち!
代わりといってはでちが、講義後にミルクを一杯所望するでちよ。」
赤んぼ先生の南部的心意気に感謝しつつも、やはりそのビジュアルと言動のちぐはぐ感に、
いつも笑いをこらえてしまうもっふんママであった。
つづく
赤んぼ先生
○渾名:赤んぼ先生(南部系)
○工人:坂下隆男
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坂下権太郎のこけしはもっとあどけない表情のものが多いですが、
私は隆男工人のこのキリリとした顔の権太郎型が大好きです。
こけしブック(cochae 青幻舎)で、『南部のおしゃれ女学校』のページを見たとき、
そのインテリジェンスあふれる眼差しに、ああ、このこけしは先生だ!と思ったものでした。
ちなみに、上の話にちょこちょこ交えている「南部の桜は~」「南部の辛夷は~」は、
壬生義士伝(浅田次郎 著)から、吉村貫一郎のお言葉でした。
南部の心意気には感動します。