クラブこけしのお店の窓を、外からコソコソと伺っているこけし娘がいた。
開店前の店内では、ナオシ(25話)がぶすぶす言いながら、
もっふんママの言いつけ通りテーブルを拭いてい
すると、窓の外から何とも不自然な猫の鳴き声がしてきた。
「にゃーおぅ。にゅあーごぅ。」
それを聞き、ナオシは怪訝に思うも、ハッ思い出す。
「この合図はまさか!」
そう言って窓に駆けつけると、見覚えのあるこけし娘が猫の鳴き真似をしていた。
「ヤ、ヤマデラ!ヤマデラじゃないの!!
そこにいたのは、
ナオシの故郷からの悪友であるヤマデラであった。
ヤマデラとナオシ
「久しぶりねナオシ。良くぞこの秘密の呼び出しを覚えたいたわね。」
当然。でも、いつこっちに出てきたのよ。」
「フフフ、あたし今、近くのモデル事務所にいるんだよ。頭の形が個性的だってスカウトされて。
「マジか。すごいじゃん。しかも近くなんて、私達の友情は最強だね。」
「まったくだね。だからさ、とりあえずパルコ行こうよ。あそこすごいよ。」
「くぅ・・・、行きたいけど・・・、鬼ばばあの目が光っていて勝手が出来ないのよ。
「鬼ばばあって、ああ、もっふんママか。相変わらずね。でも今ならけるよ。」
「いけるかな。」
「いけるって。誰も見てないって。
「よっしゃ!」
そう言って駆け出そうとするナオシである。その時、影で見張っていた、こもっふんの声が上がる。
「ママ―!!ナオシ姉ちゃんが逃げるよ
その声でもっふんママが飛んでくる。そして反射的に、ナオシのみならずヤマデラの頬もつねり上げる。
「イタイイタイ!ちくしょう、ぬかった!こもっふんがいたか!
「イタイイタイ!ちくしょう、何であたしまで!」
悲鳴を上げる2人をよくよく見て、もっふんママが遅れて気がついた。
「もふ?あんた、誰かと思えばヤマデラじゃないの。何でこっちにいるもふ。
ヤマデラはこれまでの経緯をもっふんママに話した。暫く思案し、ママが言う。
「わかったもふ。久しぶりの再会なら仕方ないもふ。今日は好きにしなさい。」
それを聞き、大喜びの二人であった。
「やったな、ナオシ。」
「オウ!ばばあ最高!」
再びげんこつをもらうナオシであったが、とても嬉しそうであった。
つづく
ヤマデラ
○渾名:ヤマデラ(蔵王高湯系)
○工人:石山和夫
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石山和夫工人のこけしと、岡崎直志工人のものを、並べてみたところ、
2人で悪だくみでもしているかのような、それでいてとても気の合う2人といった
絵面に感じてしまうのですが、上の写真から伝わりますでしょうか。
二重目のこけしは、描き様によっては、大変不真面目なムードが出ますが
そんなこけしを並べると、本当に良からぬことを相談しているように見えます。
こうやって並べてみると、同系統のこけしなんだなと実感できます。