クラブこけしのスタッフは基本住み込みで働いている。
仕事中以外は各自どのように過ごしても自由だが、食事は極力みんなでとの方針である。
炊事を主に担当しているのは下駄番で、普段せっせと料理をしているが、
通常の業務に加え、ここ最近のクラブこけしの大所帯化で、彼女も悲鳴をあげつつあった。
それを見かねたオーナーは、彼女の業務軽減と、料理部門の拡充のため手を打つのであった。
ある日の夕食時、オーナーより紹介があった。
「ご飯の前に、今日は皆さんに新しいメンバー紹介します。ではめし炊きさん、どうぞ。
めし炊きと筒
そうして現れたのは、鏡餅のように髪を結いあげた、肝っ玉感のあるこけし娘だった。
「どうも、先日東北からの出張芋煮会場でオーナーにスカウトされました。めし炊きと呼んでください。
これからここのお料理を担当します。今日も早速腕によりをかけて作りました。
みなさん、たあんと食べてくださいね。

一同拍手のあと、いただきますの運びとなった。
各所で「ウマー!!」と歓声がり、それをニコニコと見守るめし炊きであった。
そのとき、筒(第14話)がいつものように、マイマヨネーズを取りだし、からあげにかけようとした。
めし炊き「ちょっと待ちなさいあなた!何でもかんでもマヨネーズかけるんじゃないの!!
素材の味をもっと楽しみなさい。

しぶしぶと従う筒。
その横ではゆさこがマイ味の素をとりだし、漬物にふりかけようとする。
「まてー!!だから言ってるじゃないの!まずそのまま食べてみなさいってば!」
その他、タバスコをかけたがるたこ少女(10話)や、何でもヨーグルトと和えたがる巨乳15話)等、
悉くめし炊きに指導されるのであった。自分の料理に対するプライドはとても高いのである。
食事の終りにめし炊きが言う。
全員とは言いませんが、みなさんかなり食が乱れています。
どう食すかで女の品格は決まるのです。それが水商売ならなおさらよ。
これからは私が、おいしいご飯を作ると共に、その辺をしっかり立て直していくので、
よろしくお願い致します。

再びの一同拍手により、めし炊きは新しい一員として迎えられた。
その中、筒は若干不満そうな顔でマヨネーズを直にちゅうっと吸うのであった。
つづく
めし炊き
○渾名:めし炊き(遠刈田系(肘折系?))
○工人:小林順子
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私はこけしを見るとき、“この娘はどんな性格なのだろう”と想像します。
このこけしについては、料理が上手そうだと何故か即座に思いました。
この工人さんの桃割れ頭のおよねこけしは、何だか働き者のイメージがあります。
丑蔵以降のこけしが遠刈田か肘折か資料で分かれている様ですが、
このユーモラスな愛嬌はそれ自体もはや独自の路線だと思います。