クラブこけしオーナーの愛人が経営するモデル事務所に、
個性派として売り出し中の娘(こけし)が所属している。名をシンヤという。
その事務所には“ゆき子”というスタイリッシュな娘もいるが、
シンヤについては、もう少し不思議路線でと愛人社長は考えており、
いわゆる、きゃりーぱみゅぱみゅ的な線で行くという。
実際シンヤは個性的で、ファッションについても結構チャレンジ精神を持っている。
そんなシンヤが商店街を歩いている。
そして、意を決したようにある服飾店の前で立ち止まる。
「ついに私もこの店のセレクトに挑戦する時が来たわ。
ここのセレクトを着こなしてこそファッションリーダーというものよ。
店の名は“ファッションショップ アパッチ”
いわゆる、たまに町で見かけるさびれた婦人向け服飾店である。
若者目線には、その店の服を誰が求めるのだろうと思うが、
にじみ出る昭和の香りで、おば様方には結構需要のあるといった類の店である。
「しかし・・・なぜアパッチ・・・フォントもなんか怖いし。アメカジ的雰囲気も無いのに・・・
このセンスはもはや一周してリスペクトに値するわ。
そう言ってババシャツの並びの、豹の顔の描かれたシャツを手に取る。
シンヤと豹シャツ
これだわ!このゆったりシルエットの中の研ぎ澄まされた豹の目。
スパッツと合せなければ十分斬新だわ。きっとあの小物とあわせて・・・

シンヤがぶつぶつとイメージを膨らませていたそのとき、
「こんにちわ~。この間のシャツやっぱり買うもふ。まだあるかしらん。
店に現れたのは、クラブこけしのもっふんママ。
「あら、シンヤちゃん。あなたもお目が高いじゃない。モデルさんとおそろなんて光栄だわぁ。もふふふふ。
そして豹顔のシャツをウキウキで買っていった。
ハッと目が覚めた気がしたシンヤ。
「無しだわくわばらくわばら。考えすぎると変な所にハマるものね
なによりも、あそこのママとおそろはつらいわね。
そう言ってスタスタと店を去るシンヤ。
今回は客観性を持って踏みとどまったが、そうでない場合も多く、
愛人社長はたまに彼女のファッションセンスには頭を抱えているという。
つづく
シンヤ
○渾名:シンヤ(蔵王高湯系)
○工人:阿部進
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温海こけしの突然変異的デザインは秀逸ですね。
とてもポジティブそうな顔立ちのこけしです。
しかしながら、客観性は大事だと思いつつもこんな主観にあふれたブログをやってます。
鋭い方ならお気付きかもしれない、“ファッションショップ アパッチ”は
鳴子温泉は、こけしの岡仁の向かいのお店をモチーフにしています。
入店してはいませんがなかなかのオーラを放つお店でした。

追加:これまでに登場したこけし達のサムネイルを右欄に追加しました。