会計係(第7話)がツン毛をツンツンさせながらぶすぶすと言っている。
「最近スタッフも増えてきて、いろいろ会計業務が煩雑になってきたわ。
この乳製品代とかもうなんなのかしら。私、乳製品嫌いなのに。
しかしながら、
もうちょっと手が増やせないものかしら。

そして、その旨をオーナーに相談すると、良い娘がいるから、
今度来てもらうようにしよう、とのこどであった。
カニ菊と会計係
後日、その娘はやってきた。会計係に挨拶をするカニ菊
はじめまして、カニ菊と呼んでください。姉さんの噂はかねがね聞いて尊敬してました。
お役に立てるように頑張ります。

その胴模様には確かにカニのような菊のような模様が2匹ほどついている。
「じゃあ、まず力めしよ。これをエクセルで集計出来るかしら。
これからは、こけしといえどもエクセルは必須よ。
伝票をわたす会計係。
「はい、わかりました。では・・・カニカニカニっと・・・はい、出来ました!」
「あら、早いじゃないの。どれどれ・・・うん、上出来よ。じゃあ、このデータをグラフ化できるかしら。
「はい、姉さん。では・・・カニカニカニっと・・・はい!どうでしょう。」
「んー、ちょっとまって。あなた作業中に“カニカニ”って言うの?
「え?ああ、無意識なんですけど、つい。うるさいですか?」
「いや、うるさくはないけど・・・まあ、いいか。とにかく合格よ。よろしくね。」
「頑張ります、姉さん!!」
「じゃあ、みんなに紹介するからついていらっしゃい。」
というわけでクラブこけしの娘達を集め、カニ菊の紹介となった。
「どうも、カニ菊です。会計得意ですが、手が空いたらお店も手伝いますので、よろしくお願いします!
もっふんママ「よろしくね、カニ菊ちゃん。もふぅ。」
「はい、頑張ります。カニカニ!」
(カニカニ?)一同目を合わせて考えるよな顔をするが、皆まあいいかという感じになる。
(ママがよくもふもふ言ってるのと一緒か・・・)ということで、
カニカニにも誰もつっこむことなく、彼女の胴模様を見ながら一同納得するのであった。
つづく
カニ菊
○渾名:カニ菊(作並系)
○工人:平賀輝幸
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輝幸工人のその筆の正確さと細かさに関しては、
現役工人さんの中ではトップクラスではないでしょうか。
どんな小さなこけしにもきっちりと彩描されており、大変驚きました。
歴代カニ菊の中で、もっともカニに近づいていて、
場合によっては本当にカニを描いているようですが、
そもそもなぜカニ?という感じに、より愛らしいイメージを持ってしまいます。