こけしの運営するクラブにも、いわゆる“業界”があり、各お店はそれぞれ、
その業界団体の傘下として加盟している。
この業界団体というのは、各お店の経営アドバイスや援助を行う場合もあり、
それはかつてお店で“ママ”だったこけしが、引退後等に団体役員となり、
その活動を行っていることが多い。
そして、本物語の“クラブこけし”にとっての顧問役員が“大ママ”である。
堅苦しく説明したが、その内実はOGが現役に色々口出しをして、
適度なハリをもって余生を過ごしたいという思いからできた道楽的しくみである。

もっふんママがため息をついている。
「もふーぅ。今日は大ママの来る日だわ。いつものことだけど、それなりに緊張するのが面倒だわぁ。」
チーママ「そうですね。あの方、目力が凄いですもんね。そして話が長いですし。
「昔色々お世話にもなってるから、大ママには私も頭が上がらないのよ。もふーぅ。」
そうこうしていると、‘カラン コロン’
「みんな元気でやってる!」
扉が開いて大ママがやってきた。
大ママアップ
「もっふんちゃん元気?チーママも板についてきたじゃない。
あら、たこちゃんも、ゆさちゃんも、会計ちゃんも、ボクちゃんも、ミナオちゃんも
キイチちゃんも元気そうじゃない。大福持ってきたのよう。
下駄番ちゃん悪いけどお茶いれてちょうだい。みんなで食べましょうよ。

大ママの勢いもすごいが、やはり皆を見回す目力がすごい。
大福を食べながらお店をキョロキョロし、
「ここちょっと汚れてるじゃない。良く拭かなきゃ。」
「花瓶の水はこまめに入れ替えるのよ。
「あら、額が曲がっているわ。」
と、いろいろ小うるさいが、すごい洞察力で、もっふんママはキュウキュウしている。

一息ついたとこで大ママが言う。
「でも、いいお店だわ。もっふんちゃん立派にやってるじゃない。
でもあなたも若いころはいろいろやらかしていたわねぇ。仙台でなんか・・・
「もぅ!!それは言わんといて!」
「あらそーう。おほほ。」
大福を詰まらせかけるもっふんママ。
果たしたもっふんママの過去、仙台で何があったのか。大ママのみぞ知るところである。
大ママがゆさこに言う。「ゆさこちゃんも頑張れば、いいママになれるわよ。」
「あい。」
ゆさこは空返事のとき、“はい”ではなく“あい”と言いがちであった。
つづく
大ママ
○渾名:大ママ(肘折系)
○工人:佐藤己之助
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周助型のこけしにはバリエーションが結構あるようですが、
このギョロ目タイプがとても好きだったところ、運よく出会うことができました。
私の所有こけしの中で最も背の高い(1.2尺)もので、その存在感と目力はまさに“大ママ”です。
さて、本ブログも10話を超え、突如本ブログに目をとめた方のために
“訳が分からん!”と引かれないよう、あらすじ欄を、ページ脇に表示するようにしました。
でも訳が分からんでしょうね