「クラブこけしがオープンしたよ!」
ゆさこから連絡をもらったオーナーはワクワクとこけし棚を眺めてみた。
そこにいるのは、ゆさこ(+豆こけし)と下駄番のみである。
(・・・何だろう、・・・クラブと言っているが全く癒されない。クラブってもっと、なんか、こう・・・)
言葉に詰まるオーナーに浮かぶ微妙な表情。
下駄番(黒)「ほれみなさい。」
ゆさこ「ふぐぅ」
しかしその時オーナーは閃いた。
(ここはあのお方にお願いするしかないな)

―数日後
もふっ、もふっ、もふっ。
何かがクラブこけしに近づいてくる。
「もっふー!ちょっとあんたたち!!シャキッとなさい。私が来たからにはもう安心よ!」
ふて寝していたゆさこがビクッと起きる。
もっふんママとゆさこ
すごい勢いで現れたのはもっふんママ。
ふくよかな体躯、豪華な髪飾り、乱れ飛ぶ桜崩し。
その絢爛豪華な出で立ちからは
存分に“ママ”のオーラがほとばしっている。
「オーナーに頼まれて来たものの、なんなのよこの体たらくは!
さあ、これからちゃんとやっていくわよ。もふぅ」
もっふんママの登場でクラブこけしの実権は一挙に彼女に移った。
しかしゆさこにも異存はないし、むしろそれで良かったと思える安定感がママにはある。
「さあクラブこけしの仕切り直しよ。
もふっ!
つづく
もっふんママ
○渾名:もっふんママ(蔵王高湯系)
○工人:田中恵治

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私の大好きな岡崎栄治郎型の登場です。
“もっふん”とした感じや、あふれる母性のようなもの、共感できますでしょうか。
このこけしを見て「ああ・・・なんかクラブのママみたい」と思ったのが、
そもそもこの話の発端になっています。
ちなみにいわゆるこういったクラブに行ったことは無く、あくまでイメージですが。
その後こけしの数は増えつつありますが、
そのなかにあって彼女の存在感と求心力は素晴らしいです。
クラブこけし界のサラブレッドですね。