その日、鳴子は吹雪だった。
年末恒例の温泉旅行で愛人とともに鳴子に来ていた男(後のオーナー)は、
吹雪を避けるためとあるこけし屋にいた。
こけし屋に数あるこけしの中で、ゆさこが男をじっと見ている。
「何だろうこのお兄・・・、いやおじさん・・・か。年の瀬のしかも吹雪の中ご苦労なことだわ。」
ゆさこの視線を感じ男はゆさこに言った。
「今日は気分が大変によろしい。私と東京に来るかね。お兄さんがいろいろ援助してあげよう。」
考えるゆさこ。突然ではあるがチャンスな気がする。しかし何をどうしよう。
(私たちこけしは人間を癒す存在。特にこんなおじさんには受けが良い。
オヤジ受けと言えばクラブ。そうだ!クラブを始めてみよう!)
「お兄さん、私クラブをやりたい!!」
「ほほう、こけしのクラブか。斬新ではないか。よくわからないが好きにやってみなさい。」
「あい」
かくして、ゆさこはお伴の豆こけしをつれて風呂敷包み一つで東京に旅立つのであった。

つづく
ゆさこ
○渾名:ゆさこ(+豆こけし)(鳴子系)
○工人:遊佐妙子
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というわけで、突然始まりました「クラブこけし物語」。
多分に個人的な妄想・偏見の詰まったストーリーで、所有する伝統こけしを紹介していきたいと思います。
さほど知識が無いにも関わらず、大胆なキャラ設定をしていきますが寛大な目でみてやってください。
男(私だけか?)がこけしをどんな目線で愛でているのか。果たして共感者はいるのか?
楽しんで続けられればと思います。
なお、ストーリーは基本こけしの入手順に展開するので、
後々話に破たんが生じることもありそうですが、
極力、話は朝ドラのように切りよくと思っています。
どうぞよろしく(´・ω・`ゞ)